八ヶ岳に立つ野ウサギ

rabbit▲八ヶ岳に立つ野ウサギ

 さだまさしさんの最新小説『風に立つライオン』のモデルになったのは、柴田紘一郎先生でした。私はこの8月に宮崎で先生の講演をお聞きし、お近づきになることができました(⇒8月の柴田先生の講演内容はコチラ)。この本のあとがきには、長野県諏訪地域で医療活動に従事する、故小松道俊医師鎌田 實医師が出てきます。画家の原田泰治さんを通じて、このお二人の先生と親しくなったさださんが、お二人と食事をご一緒しているときに、こんなことをおっしゃったそうです風に立つライオンはいい歌だなあ。地域で頑張ってる僕たちは、あんな凄いライオンじゃあないけど、まあなんだなあ、八ヶ岳に立つ野ウサギくらいにはなりたいとお互いを励まし合っているんだよ」 ほんの冗談だったのでしょうが、さださんは2000年発売のアルバム『日本架空説』の中で、本当に「八ヶ岳に立つ野ウサギ」という歌を書き上げ、お二人の先生に捧げておられます。歌詞を読むと、お二人の地域医療に捧げる献身ぶりがよくわかります。

 さださんのアルバムライナー・ノーツには、「残念ながら我が国の医療現場は「こころ」を失い惨憺たる有様になってしまっているが、こんな素晴らしいお医者が実はこの国にはまだまだ沢山居るんだということを医療現場に失望している人に伝えたいと思うのだ」(さださんのアルバムに添えられる詳細なライナー・ノーツは、その曲の背景・舞台裏を知るのに非常に貴重な資料です)とあります。二人を見ているといつも「頑張ろう」と思う。そうなのだ。「頑張ろう」と思わせてくれるお医者こそ、今のこの国の「こころ」にとってもっともっと必要なのだと思う」。今から13年前の言葉です。今回の『風に立つライオン』のあとがきには、そのようなお医者さんたちが沢山出てきますね。「都会では埋もれてしまうものが 田舎で暮らせば見えることがある たとえば生命について あるいは心について 切ないようでそれぞれ美しい…」

DSCN2705 この小松道俊先生は、数年前から肺がんを患っておられ、この春に他界され、この本の上梓を見ることはかないませんでした。『週刊ポスト』に連載中の鎌田 實先生の「ジタバタしない」に、葬儀で読まれた友人小松先生への感動的な弔辞が再録されていて、胸を打ちました。最近、鎌田 實先生が出版された『○に近い△を生きる 「正論」や「正解」にだまされるな』(ポプラ新書)の中にも再録されていますので、ぜひ読んでみてください。

 小松先生、悲しいです。野ウサギは一匹になりました。でも、これからも○に近い△を見つけながら、ぼくも「新しい人間」を目指して生きていきます。先生のあったかな笑顔、忘れません。

 私のいる松江北高には、医者を志す生徒たちが多いのですが、本校図書館で鎌田 實先生の本はとても人気だと、今日司書さんから伺いました。嬉しくなりました。目指せ、風に立つライオン八ヶ岳に立つ野ウサギ!!

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