モノに執着すればするほど、それに縛られるようになります。皮肉なことですが、それを手放した途端にどんどん手に入ってくるようになる、という経験を私はずいぶんしてきました。お金を貯めよう貯めよう、と思っていてもなかなか貯まりません。人にごちそうしてあげてごらんなさい。不思議なことに、思わぬところからお金が舞い込んできます。そんな体験、みなさんはありませんか?
このことに関して、昔、ウェイン・ダイアーの『勝ちぐせをつけるクスリ』(知的生き方文庫)を読んでいた時に、印象に残った話がありますので、ご紹介してみたいと思います。この本は単行本でも読み、文庫本でも読み、ずいぶん影響を受けた本です。訳者は尊敬する渡部昇一先生です。
子猫が自分のしっぽを追いかけているのを見て、年取った猫が尋ねた。「どうして自分のしっぽをつかまえようとするの」子猫が答えた。「猫にとって一番大事なのは幸せで、その幸せは僕のしっぽだってことがわかったんだ。だからつかまえようとしてるの。しっぽをつかまえたら、きっと幸せになれるんだ。」するとその年取った猫が言った。「坊や、私もそういうことに関心を持った時があった。私も幸せはしっぽにあると考えた。けれど、気がついたんだよ。しっぽは追いかけると決まって逃げていく。でも、自分の仕事に精を出していると、しっぽは私がどこへ行っても必ずついてくるみたいだよ。」


