皆美家伝の「鯛めし」とは、そぼろにした鯛の身を、ゆでた卵の白身のみじん切りや、裏ごしした黄身と一緒に、ご飯の上にのせ、ワサビ、大根おろし、ねぎ、海苔を添え、だし汁をかけて食べるお茶漬けです。松江皆美館が、長年家伝として伝える料理です。 これは明治二十一年創業時より始められたもので、江戸時代の文化文政のころ、不昧公と呼ばれた七代藩主、松平治郷(まつだいら・はるさと)が、長崎や平戸に出向いた御用人から献上された西欧料理にヒントを得て、日本風にアレンジしたものをいうそうです。茶会の懐石料理の流れをくんでいるようです。というのも、不昧公は茶道に知識が深く、不昧流という一派を起こしたほどの人です。しばしば茶会を開いたが、これに付き物の懐石料理によく鯛を使っていた資料が残っています。島根半島沖が鯛の宝庫である関係もあるのでしょう。さらに、この懐石料理に汁かけ御飯も出されている。これを初代板前長西村常太郎が考案し、「鯛めし」と名付け、家伝料理に仕立てたのが始まりとされています。
鯛めしは実にあっさりしていて、腹にもたれないのでいくらでも食べられるのが魅力です。その秘密は、ご飯にかけるだし汁にあり、このだし汁こそが鯛めしの生命と言ってもよいでしょう。秘伝として伝えるだし汁の作り方は、カツオの本節をベースに味をだし、うすくちしょうゆ、みりん、酒を使って味付けをします。それでいて、カツオのにおいを感じさせず、しょうゆの色を全く残していません。しょうゆは、松江市内のしょうゆ会社に特注しているものを使用していて、だし汁の色は無色に近いものです。鯛の身のそぼろは、1.5キロから2キロ級の鯛の上身(刺身にする部分)をそぐように包丁を入れてゆがく。火が通ったところで、これをゆせんでいりながら、そぼろにする。味をつけないのが特徴です。これをごはんの上に盛って、だし汁をかけていただきます。何度食べても飽きのこない美味しい料理です。
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今日は教員になって初めて担任した生徒が、数十年ぶりに訪ねてくれ、懐かしくて昔話に花が咲きました。二人で「鯛めし」をいただきました。本当に美味しかった。
●今日のお料理●
前菜 季節の味覚盛込み
小鍋立て 牛肉と秋野菜のスープ煮
造り 三種盛り
秋の楽盛り さわら紅葉焼き 松茸茶碗 小柱となめこみぞれ和え
焚だし 菊花かぶら
強肴 海の幸燻製サラダ
食事 鯛めし
香の物 三品盛り
デザート シャーベット