abundantly

 英語の副詞に関しては、このブログでもいろいろな発言をしてきました。今日もそんな一例を考えてみたいと思います。 abundantlyという「量」が多いことを表す副詞を、非常に、豊富に」と訳語を示すだけとか、訳語も示さずに、追い込みにして、~lyと済ましているだけの英和辞典が結構見られます。最近、滝沢直宏『ことばの実際2 コーパスと英文法』(研究社、2017年9月)において、BNCやCOCAといったコーパスを用いて、この副詞の実態を明らかにしておられ参考になります。コーパスで検索をかけてみると、この副詞は圧倒的にclear(明白な)という形容詞と共起することが多いのです。そのことは英米で発行された学習辞典の用例にもハッキリと見て取ることができます(これらはみなコーパス利用の産物です)。MEDabundantly clearを成句(=very obvious)として扱っていることもそれを物語っています。

She made her wishes abundantly clear. [OALD]
She’d made her feelings toward him abundantly clear. [LDOCE]
He’d made it abundantly clear that anybody who disagrees with his policies will not last long. [CAAED]
You’ve made your feelings abundantly clear.(=very clear) [CALD]
He has made it abundantly clear that he expects results. [MED]
Kaplan made it abundantly clear that we weren’t welcome. [LDAE]

 現代英語では、abundantlyは、最も一般的にclearを修飾し、程度は落ちるものの同義の形容詞(evident, obviousなど)を修飾する、というのが実態です。さらに、その左側に注目してみると、英々辞典の用例がすべてmakeと一緒に使われているのも、コーパス検索の成果の一つです。

 滝沢(2017)によれば、形容詞abundantには、名詞のevidence(証拠)との強い共起関係が見られると言います。このことは、形容詞abundant副詞abundantlyの共起傾向に関しても、両者に必然的な意味的関連性があると考えてもよいでしょう。次のような関係です。

        十分な量の証拠がある」→「明々白々である」

 私たちの『ライトハウス英和辞典』(第6版)にある下のような用例は、このようなことを背景に作られたものです。学習辞典の副詞の扱いに関しては、まだまだ不十分な点が多く見られます。⇒例えばコチラ

She has made her intentions abundantly clear. 彼女は意図を十分明らかにした。

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