baggageとluggage

 来年から始まる「共通テスト」の英語では、リーディング・リスニング共に「イギリス英語の出題の可能性」が予告されています。⇒私の解説はコチラです  確かに、アメリカ英語イギリス英語の間には、発音・語彙・意味・文法などにおいて相違が見られます。これまで現場ではこうしたことに触れることはほとんどなかったと思われますが、指導者はこれからは頭に入れておく必要があります。ただそれほど目くじらをたてることではありません。今日のテーマは、「荷物」を表すbaggage/ luggageという語です。私が教員になりたての頃は、《米》baggage/《英》luggage」という理解だったと思います。現在でもこの英米差は生きていると思われますが、重要なポイントが抜け落ちていました。

▲P.Y.Su編集長と松江にて 八幡も若い!

 baggageluggageの微妙な語感について、初めて辞典に収録されたのは、私の友人であった米国・ランダムハウス社P.Y.Su編集長による、Random House Dictionary Paperback (Ballantine Books, 1978)でした。私はそれまでは、両者はほぼ同じ意味だと思っていました。来日される度に、定宿の帝国ホテルからお電話をいただき、最新のアメリカ英語事情をお話しいただき、長電話したのも懐かしい思い出です。このコンパクト辞典のluggageの項には、“suitcases, trunks, etc., esp. empty ones as merchandiseと書かれています。一方のbaggageは、“the trunks, suitcases, etc., containing the personal effects of a traveler です。私たちの『ライトハウス英和辞典』の編集顧問のロバート・イルソン博士も、この傾向を認めておられます。大変参考になるコメントです。

 Baggage and luggage are both World English, but not exact synonyms. Baggage focuses on the contents; luggage,  on the containers. When you buy suitcases, you buy luggage. not *baggage. However, luggage can be full as well as empty. So luggage and baggage are often interchangeable in practice.  BrE and AmE have somewhat different preferences when it comes to phrases and collocations with luggage and baggage.

 ここら辺のことを、私たちの『ライトハウス英和辞典』第6版(研究社)では、「【語法】 スーツケース・トランクなどの手荷物類に対しては<米>ではbaggage、<英>では luggageを使うことが多いが、英米ともに、baggageは中身に、luggageは容器自体に重点が置かれる。ただし<英>でも船や航空機の手荷物にはbaggageを使う」と詳しい注記が入っています。それと、もう一つ押さえておいてよいと思われるのは、「《米》ではluggageの方が高級なイメージを与え、広告や店頭などで好まれる」(『アクティブジーニアス英和辞典』)という語法事実です。♥♥♥

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