雷鳥=サンダーバードではない!

 もうだいぶん前のことになりますが、湯河原まで故・西村京太郎先生にインタビューに出かけたことがあります。先生の今までに乗られた列車の中で一番印象深いお好きな列車はどれですか?」とお尋ねしました。すると先生は、間髪を入れずに「やはり「雷鳥」ですね。あれ好きなんだよ。今は全部「サンダーバード」になっているでしょ。あれはちょっとね。残念だね。」と答えられました。また以前の先生の「ファンクラブ会報」には、「『雷鳥九号』というタイトルが好きなんです。何号でもいいわけじゃない。なんとなく語呂がよくありませんか?」「私は雷鳥という名前が好きだが、それを直訳したようなサンダーバードという名前は、どうしても好きになれなかった。もう少し細かくいうと、雷鳥の中でも、雷鳥九号という名前が好きだった。九という数字に、別に縁起をかついでいるわけではなくて、雷鳥九号という音が好きなのである。それが今は、なぜか雷鳥という名前が消えてしまって、サンダーバードだけになってしまった。残念で仕方がない。何とかならないものか」というコメントが載っていました。

 さらに続けて、私はお尋ねしました。「先生のお書きになった575冊(訪問当時)の著書の中で、一番気に入っていらっしゃるのはどの作品ですか?」すると先生は「さっきも言ったように「雷鳥」が好きなので、やっぱり『雷鳥9号殺人事件』でしょうね。」とお答えになりました。西村先生「特急 雷鳥」への思い入れは相当強いものがあるな、と感じたことです。この作品ではとんどもないトリックが使われており、業界でも大きな話題になりました。いてこの特急「雷鳥」485系の車両は、「京都鉄道博物館」に現物展示されています。私はこの車両を見る度毎に、在りし日の西村先生を思い出します。

▲「京都鉄道博物館」に展示された「雷鳥」 懐かしい車両です!

 また『小説現代』6月号(2015年)には西村先生のインタビュー記事が掲載され、先生は次の様におっしゃっておられました。私はてっきり「雷鳥」=「サンダーバード」と思っていただけにビックリでした。早速調べた記憶があります。

 名前が好きな列車としては特急「雷鳥」があります。大阪駅から金沢駅、和倉温泉駅を結ぶ列車でしたが、1995年に「スーパー雷鳥(サンダーバード)」、1997年に「サンダーバード」に改名されてしまいました。個人的には「雷鳥」の方が良かった。もう一度復活してほしい名前です。それに雷鳥とサンダーバードは別の鳥ですしね。

 列車名「雷鳥」の由来は、富山県の立山連峰に生息するニホンライチョウです。江戸時代まで山の神の使者として崇められた鳥で、明治以降、海外から狩猟文化が伝わり乱獲されましたが、明治末期に保護鳥に指定され、大正時代には天然記念物に指定され、さらに昭和時代には鳥獣保護法によって特別天然記念物となりました。

▲「特急サンダーバード」

▲サンダーバードのロゴが印象的

 1997年のダイヤ改正で、681系「スーパー雷鳥」の列車名が「サンダーバード」になりました。大阪と北陸を結ぶ列車は681系「サンダーバード」と485系「ス-パー雷鳥」「雷鳥」の3種類となり、後に683系が導入されて「スーパー雷鳥」の名前が消えました。2011年に485系「雷鳥」は運行を終了し、全てが特急「サンダーバード」になりました。「雷」は英語で「サンダー」、「鳥」は「バード」だから「サンダーバード」です。JR西日本は「漢字の直訳」と説明していましたが、発表時点で「誤った英語が広まるのを懸念する声もある」という指摘が出ていたそうです。

 「雷鳥」の英語名は「Ptarmigan(ターミガン)またはGrouse(グラウス)」です。  英語の「thunderbird」は、米国の先住民のスー族に伝わる伝説に登場する想像上の鳥。この鳥は雷光と雨を起こす巨大な鷲のような鳥であり、そのことから「サンダーバード」という名前がつけられたそうです。681系は時速160キロ走行が可能で、「サンダーバード」の力強くスピーディーなイメージがぴったりだとして命名されたといいます。当時、JR西日本は「雷鳥」の漢字を「直訳」すると「サンダーバード」になる、とも説明していたようです。ただ、1995年12月24日の「朝日新聞」は、「愛称は『雷』『鳥』をそのまま英訳した形でもあるが、ライチョウの英名は『ターミガン(ptarmigan)』。誤った英語が広まるのを懸念する声もある」と報じていました。♥♥♥

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