門脇 誠選手の苦悩

 圧倒的な守備力とシュアな打撃を武器に、あの名ショート・坂本勇人選手を三塁に追いやった巨人の門脇 誠内野手(23歳)が絶不調の中でもがき苦しんでいます。プロ2年目の壁(ジンクス)でしょうか?頑健な体(原前監督が「ストロング門脇」と命名)と、野球に取り組む真摯な姿勢には阿部新監督も絶大な信頼を寄せて、開幕から遊撃のレギュラーとしてフルイニング出場させてきましたが、打率2割1分3厘と絶不調。昨季はあれだけ華麗で堅実な守備を披露していたにもかかわらず、自慢の守備でも今季はセリーグワースト2位の8失策と攻守にわたって精彩を欠いています。去年からは信じられないような凡ミスが繰り返されています。守備から打撃へのリズムが作れず、打撃の迷いが守備での集中力に影響する、という悪循環に陥ってしまったようです。5月18日の広島戦(マツダ)では今季初のスタメン落ちも経験。ショートのレギュラーも新人の泉口に奪われ、試行錯誤は今も続いています。開幕から全試合でフル出場してきましたが、5月17日の広島戦(マツダ)で途中交代すると、その後はスタメン落ちが続いています。打率は2割1分3厘、0本塁打、7打点で、思うような結果は出せず、ベンチを温めています。険しい表情でその苦悩を告白しています:

 「悔しい気持ちはもちろんある。元々レギュラーだとは思っていないですし、いつ代えられてもおかしくない状況で代えられたので当たり前だと思う。これだけ使ってもらっていたので結果を出さないといけなかった。2年目で当たり前に行くとは思ってないので、勉強だという気持ちもありますけど、あれだけ思うようにいかないと試合に出るのも怖くはなります。去年の前半戦もそういう時がありました」

 「去年よりも守備が安定していない。昨シーズンは打てない中でも何とか守備で貢献と思ってやれていたんですけど、今は逆に守備が不安定過ぎている。それが今年は怖いという感じにつながっていると思う」

「『シンプルに打とう』と今はやっている。監督からは前から言われていることですけど、どうしても(構えから)固まってしまっているんで、もう少し楽にして、動きながら打ちにいこうとやってます」

 昨オフ早々から「遊撃のレギュラー」と阿部監督から明言されて迎えた2年目の今季。しかし、ここまで攻守両面で苦しんでいます。守備ではスーパープレーもあるにはある一方で、「スローイングも捕球も防げる凡ミスが多い」。8失策はセ・リーグワースト2位です。特に持ち味として高く評価されてきた堅守にほころびが出ていることが、背番号5のリズムを乱しているのです。

 守備機会も運動量も他と比べて圧倒的に多いショートのポジションだけに、試合が続けば負担や疲労は想像以上にあることでしょう。ただ、「それがプロ野球なので」とミスの原因にはしません。1年目から見守る川相内野守備コーチは上体が浮いてしまい、「足が使えていない」と分析。現在は球際の強度やスローイングの安定性を高めるために、下半身をしっかりと動かして下から打球に入る意識を再確認して、練習に励んでいるそうです。

 昨年も打率1割台だった夏場に当時、ヘッドコーチを務めていた指揮官から逆方向の意識を助言され、コツをつかんだ経験があります。1年目は怖いもの知らずで突き進めても、2年目はミスへの恐怖心や責任感が増してきます。相手からも徹底的に研究され尽くし、対策も練られます。偉大な先輩たちもそんな“2年目のジンクス”を経て、不動の地位を確立してきました。思い返せば昨年の前半戦も「打てずにめっちゃ苦しかった」と打率1割台と苦悩する日々を過ごしましたが、必死に食らいついた結果、レギュラーを奪取することができました。退寮と同時に、自腹で調理師と個人契約を結ぶなど、自覚十分で浮ついたところは皆無です。あまりに真面目すぎる性格がゆえに、考え込む上に問題は自分で解決しようとし過ぎるあまり、なかなか復調の糸口をつかめないでいます。ここが正念場です。今の壁を乗り越えた時、門脇選手はまた一回り大きくなることでしょう。6月14日の日本ハム戦では、3塁線を破ろうかという強烈な打球に横っ飛びで捕球してセカンドで刺しています。これこそが彼の本領発揮です。きっかけにして復調して欲しいものです。♥♥♥

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