村下孝蔵さん

 村下孝蔵さんというシンガーソングライターをご存じでしょうか?広島でピアノ調律師として勤務する傍ら、アマチュアで音楽活動をしておられました。27歳でCBSソニーのオーディションでグランプリを獲得してデビュー。30歳の時に発表した「初恋」で大ヒットを飛ばし、以降「踊り子」「少女」「かざぐるま」とヒット曲を連発し、フォーク界の重鎮となっていきます。私がこの人を好きになったきっかけになった楽曲は「ゆうこ」という哀しい曲です。当時はテレビ出演をせずに、広島を拠点にライブ活動をしておられました。CDジャケットの「切り絵」が何とも言えない哀愁感を漂よわせていて大好きでした。ギターの腕前は音楽関係者の間でも天才との評判が高かったんです(「一人ベンチャーズ」が得意技)。1999年6月20日にコンサートのリハーサル中に倒れ、脳内出血で24日に急死します。46歳でした。葬儀の出棺時には彼が最も気に入っていた楽曲「ロマンスカー」が流れました。この曲は彼の渾身の作品で「やっと納得する作品が出来た!」と語った自信作でしたが、あまり売れませんでした。彼の音楽性と履歴については落合昇平『村下孝蔵STORY 深き夢歌、淡き恋歌』(ソニーマガジンズ新書)や「村下孝蔵資料館」(⇒コチラ)に詳しいです。

 このたび村下孝蔵セレクションアルバム『哀しい濃いの歌』(全18曲)が出たのを機会に、もう一度彼の楽曲を聞き直してみました。聞き終わるとなぜか優しい気持ちになるのでした。例の「ゆうこ」もライブ録音のボーナス・トラックとして収録されています。疲れた時に聞くとホッとする歌です。ぜひみなさん聞いてみて下さいね。昨年も『この国に生まれてよかった』というベストアルバムが出ています。

      ◎村下孝蔵「ゆうこ」はコチラ ⇒「ゆうこ」

 さだまさしさんが、借金苦の中「夏・長崎から」という「平和コンサート」(20年も続くことになる!)を始めて苦労しておられた頃、ボランティアで一番に駆けつけた心優しき人でした。才能ある人は早く逝ってしまいます。でも彼の残してくれた素敵な歌は永遠に心に刻まれ続けることでしょう。

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