「デイジー」

忘れないで  僕だけは君の味方
たとえ別れても  愛は変わらない
忘れないで  いつまでも君の味方
たとえ世界を敵に回しても       ―さだまさし「デイジー」

 

 大好きなさだまさしさんの、1990年のアルバム『夢ばかりみていた』の1曲「デイジー」です(先日の国民投票では26位でした)。この歌のサビの部分の「忘れないで いつまでも君の見方 たとえ世界を敵に回しても」という歌詞が大好きなんです。いい言葉ですね。実は、この歌詞は実話に基づいています。当時、さださんは、音楽批評家たちからボロクソに批判されていた時代でした。そんな時に、さださんがデビュー当時のバンドのギタリスト、福田幾太郎さんに言われた言葉です。大阪フェスティバルホールで、10周年記念コンサート最終日の前日、東京から来ていた音楽評論家・批評家と、朝5時まで呑んだ福田幾太郎さんが、さださんの耳元でこう言ったんです。

「あのさ、結局彼らは心底では君のことを理解しちゃいないってことがよくわかった」
「まさし、はっきり言っておくけど、君のことを一番理解しているのは僕だ」
「まさし、まあ、そんなこともないだろうけど、万が一君が世界中を敵に回しても、僕
だけは君の味方だよ。それだけは言っておくよ」
「いや、これは、真面目な話なんだ。まさしのことをみんなちゃんと理解していないん
だ。本当に理解しているのは全く、僕なんだよ。それだけ、言いたかったんだ」

DSCN2754 こう言い放った福田さんは、一週間後に、おろしたての新車に乗って、中央自動車道で交通事故死します。1983年のことで、33歳の若さでした。 この一言は、今でもさださんの背骨を支える言葉だと言います。重たい重たい、一生をかけたエールですね。この福田さんとの出会いから別れまでは、さだまさし『いつも君の味方』(講談社文庫)の最終章全部を使って、詳しく書かれていますのでご覧ください。

 もうちょっと福田さんの話をします。「目が点になる」という言葉がありますね。実は、これはさださんの周辺から発生した言葉なんです。福田郁太郎さんが生きている頃、漫画で登場人物がびっくりした時、目が点で書かれているところから、びっくりした時、「目が点」という言葉を使っていたのだそうです。それが広まり、のちに笑福亭鶴瓶師匠が使うようになり、今や日本中で当たり前に使われる言葉になったということです。広辞苑にも載っている表現です。

*1970年代初頭に谷岡やすじさんの漫画を読んだジャズピアニスト山下洋輔さんが、谷岡作品の登場人物が、驚くと目が点で描かれる事から、「目が点になる」と言い出したという説もあります。エッセイストとしても有名な山下洋輔が、エッセイの中で何度もこの表現をしているといいます。福田さん、山下さん両人が貢献した表現といったところでしょうか。

 10月20日(日)、NHKBSプレミアムで「東北復興支援コンサート」の模様が、3時間にわたって放映されました。その中でさださんは、震災の教訓から、「明日がないと思って生きる」と宣言しておられました。見習いたいですね。

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