なぜ私がこんな目に―西村由紀江

 「なんで自分がこういう目に遭わなければいけないんだろう」と、悲観的に考えていたが、日ごとに、「きっと離れる時期だったんだ」と思えるようになった。急に環境が変わるときには、起こっていること一つひとつに腹を立てたりしがちだが、人生の中の大きな流れとして客観的に見てみると、必要があっての変化なんだと納得できる。  (pp.59-60)

piano 私の大好きなピアニスト西村由紀江さんの著書『あなたが輝くとき』(成美堂、2007年)には、こんなくだりがあります。3歳からヤマハ音楽教室に通い、約20年間在籍した財団法人ヤマハ音楽振興会から、リストラ勧告を突き付けられた時の偽らざる心DSCN2748境です。振興会は、コンサート費用やCD製作費が過大だとして、コストの削減を強く求めてきました。コンサートだけで黒字にするのは容易ではないというのが「業界の常識」です。コンサートを開催することで、自分自身のCD、楽譜、DVDが売れ、会社全体にも貢献できるはずだ、コンサート後のサイン会も、ヤマハ音楽教室の受講者の増加や、ピアノの売り上げ増にも寄与してきたという自負もあったにもかかわらず、振興会はコンサート単独での採算を黒字化を目指したのです「あなたがいなくなってもヤマハは困らない。置いてもらうようにお願いしなさい」とヤマハ側。自分がそんな取るに足らない存在なんだ、と思いつめ、混乱したそうです。私も二年前、松江北高で似たような経験をしているので、彼女の気持ちはよく分かります。

 西村さんは独立を決意します。専属契約を満了することになりました。今年でデビュー21年目を迎え、そろそろ新しい道を見つけたいと思っています」というさりげない挨拶状の舞台裏には、こんなドロドロとした葛藤が隠れていました。会場確保・移動・宿泊・演出・衣装・宣伝・集客・資金調達など全て、今後は一人で行わなければならなくなりました。支えてくれるマネージャーもスタッフもいないコンサート会場に、一人でたたずむ自分の姿を想像しただけで、目の前が真っ暗になったと言います。人生予期せぬ出来事が起こるものです。

 そんな彼女の波瀾の独立を、スタッフが支えてくれます。個人事務所である株式会社モデラートを設立して、今は全国各地のコンサート、学校コンサート、病院コンサートと、精力的に活躍しておられます。彼女が大学生だったときから知っている私としては、嬉しい限りです(⇒コチラ)。彼女の「明日を信じて」という曲をお聞き下さい。デビュー以来、彼女の音楽に向き合う姿勢はブレることがありません。そんなところが彼女の魅力なんです。

 大きな将来の目標を掲げるより、今日一日を大切に過ごして、いま周りにいる人を大切にすれば、素敵な明日が来ると信じているんです。それが、自分らしい生き方にきっとつながっていくはずだと。(西村由紀江) 

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