ちょうど去年の今頃、この泡坂妻夫『しあわせの書』(新潮文庫、22刷13万2千部)を、メンタル・
マジックの「ブックテスト」(好きなページを開いてもらい、そのページの最初の単語を見ずに当てる)に使うことをご紹介しました。⇒コチラです 私は直木賞作家としてだけでなく、奇術者としての泡坂さんの大ファンです。今はもう手に入らない本だと思っていたところ、昨日書店をのぞいたら、まあそれはたくさん並んでいるではありませんか!宣伝のポップまでついていましたよ。見たところものすごく売れているような感じです。私もまた1冊買ってしまいました!
どうやら、昨年の11月5日にNHKラジオ第1「ラジオ深夜便」で紹介され、1987年に発売されたこの本が、アマゾンで総合1位に躍り出たようなんですね。その反響は大きくて、先月だけで1万2千部増刷されたといいます。火付け役は、スポーツ・コメンテーターの益子直美さん。それまで口下手だった彼女が、この本を使った手品を披露することで初対面の人とも話せるようになったと言い、番組内で手品を実演しアナウンサーを驚かせた、とのことです。この本は、ヨガと奇術の達人ヨギ ガンジーが登場するミステリー・シリーズの一作で、ある宗教団体が発行する小冊子「しあわせの書」を偶然手に入れたことから、ガンジーとその仲間は教祖継承問題に巻き込まれていきます。読者は、ユーモアたっぷりの賑やかな謎解きを楽しむうちに、著者の泡坂さんが用意した驚くべき企(たくら)み・仕掛けに驚くことになります。12月8日付の『朝日新聞』で取り上げられたことでも火が付いたようです。「1年半おきくらいに増刷がかかるロングセラー。書店員さんと話していても、トリックが特殊な本としてよく名前があがります」と、発売元の新潮社・営業部の後藤結美さん。著者は故人ですが、担当編集者の一人、桜井京子さんは「家業の紋章上絵師を継いだ職人であるうえ、マジシャンとしても有名でした。直木賞受賞作の『蔭桔梗(かげききょう)』のようにしっとりした作品を発表する一方、こうした仕掛けのある作品を手書き原稿で丁寧に組み立てていく方でした」と語ります。本書のトリックは紙の本ならではのものです(同シリーズでは、長く絶版でプレミアのついていた『生者と死者』(新潮文庫)も復刊されましたね。そのまま読むと短編小説、袋とじを開いて読むと…!?袋とじを利用したからくりが見事です。どちらも紙媒体ならではの面白さを再認識させてくれる本です)。「忘年会などで『しあわせの書』を活用する人もいらっしゃるようです。普段本を読まない人にも、こんな風に本で遊ぶことができると知ってもらえたら」と後藤さん。ただし、企みに気づいた時の痛快な気分は一度しか味わうことはできませんからご了承を。読了後もどうか、未読の方には何も明かさぬようにお願いします。それにしても、この本凄すぎです。天国の泡坂さんの眼力に脱帽です。♠♣♥♦
(付記) これをアップしようとしていたら、偶然にも静岡県の「Hey presto!」さんが、昨日この2冊を詳しくご紹介になっていることに気が付きました。マジック好きの人には堪まらないブログで、私も長くファンを続けている方です。どうぞコチラもごらんください。⇒Hey presto!さんはコチラです



気が付くのが遅くなって申し訳ありません。
私のブログ「Hey presto!」をご紹介下さいまして、ありがとうございます!
いつも楽しく読ませて頂いております。写真の綺麗さには感心することしきりです。今後ともよろしくお願い申し上げます。 八幡成人