Long Time No See

 松江北高三年生のライティングの授業では、桐原書店『システム英作文』(改訂版)を使っています。その4課に「お久しぶりですね」という英文和訳問題があり、そのガイドブックには「くだけた会話ではLong Time No Seeも可」として、解答集にも別解としてこれが示されています。私が大好きなロングマンにも”spoken   used humorously to say hello when you have not seen someone for a long time”とありますから、ごく普通の記述と思われます。「英米とも親しい間柄ではよく使われる」(ジーニアス) という記述もあります。私も今までそのような理解をしていました。

 今日はこの表現を取り上げます。私は最近『日本経済新聞』を愛読しているのですが、その土曜日版には、デビッドセイン先生「ドンマイ!イングリッシュ」というコラムが連載されています。5月3日(土)付けの同欄には、次のような記事が掲載されました。そこには、私の知らないこの句のニュアンスについて書かれていました。

 日本語の表現には英語にしにくいものがあります。「久しぶり」もそのひとつ。これにあたる表現としてLong time no see.という英訳があてられているのをよく見かけます。これでも通じないことはありませんが、気持ちがこもっていない社交辞令のように聞こえます。つまりこれでは「久しぶりに会った喜び」は表れていないのです。ネイティブはこの表現を単なる挨拶として、また時には皮肉にも使うことがあります。例えば数日間ずる休みをした同僚にLong time no see.などと言ったりもします。「おやおや、久しぶりですねー」と言ったニュアンスでしょうか。久しぶりに会えた喜びを伝えたいならHow have you been?という表現を使うといいでしょう。同じく、It’s been a long time.という表現もよく使われます。大事なのはスマイルとうれしいという気持ちです。

 早速、本校のALTのジェーン先生(オーストラリア出身)と、この問題について議論しました。結論的には、ジェーン先生も上記の観察に同意されました。親しい友人に使うことはないだろう、とのことでした。一つ勉強した気がします。

 と、ここでネット検索してみたところ、次のようなネイティブの意見が出ていました。やはり上とほぼ同様の観察です。

 多くの方は、「long time, no see」というフレーズを中学校で教わるかと思います。しかし、実際英語のネイティブはそれほど「long time, no see」を使いません。ネイティブは皆「long time, no see」が分かり、たまに使うこともあるのですが、「long time, no see」は少し気取った表現です。なので、仲の良い友達とずっと会えなくてやっと会えた時に、「long time, no see」を使う英語のネイティブは少ないでしょう。元々「long time, no see」は中国語の「好久不見」を直訳したピジン英語で、実は文法的にめちゃくちゃなので、口に出すと少し気取っている上ユーモラスなイメージを与えてしまう恐れがあります。

Hey man, what’s up?
Hey. Long time, no see.
よぉ、元気か?
あぁ。お久しぶり。

これは僕の気のせいかもしれませんが、長い間日本に住んでいるネイティブは、海外に住んでいるネイティブより「long time, no see」を使うように思います。それは日本人に「long time, no see」とよく言われているからではないでしょうか。

「It’s been ages.」はとても表現力があります。「久しぶり」を自然な英語で表したいなら、「it’s been a long time」、「it’s been a while」、「it’s been ages」などのフレーズが良いと思います。これらのフレーズは、「この前お会いしてから」を意味する「it’s been a long time since we last met」の略です。これらのフレーズの中では「It’s been ages」が最も表現力が高いでしょう。なぜなら「age」は文字通り「時代」という意味だからです。

Hey Bryan. Wow, it’s been such a long time.
あぁ、ブライアン。わぁ、本当に久しぶりだね。

Hey Susan. It’s been ages, hasn’t it?
やぁスーザン。かなり久々だよなぁ?

It’s been quite a while. How are you doing?
久しぶりじゃん。最近どう?

 さてここで先ほどのロングマンの定義をもう一度見てみましょう。”spoken used humorously to say hello when you have not seen someone for a long time” 上で観察したニュアンスを全部含めて、下線部のようにhumorouslyと規定しているのですね。恐ろしや、ロングマン英英辞典!

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