難しいことを簡単に

 同じ内容を表現するのに4通りの人が存在します。ここで言う「簡単」とは「分かりやすい」と、「難しい」は「分かりにくい」と書き換えてもいいでしょう。

①簡単なことを難しく言う人
②簡単なことを簡単に言う人
③難しいことを難しく言う人
④難しいことを簡単に言う人

教師 我々教員は④でありたいですね。難しいことを分かりやすく伝えることができるのは、その中身を200%きっちり理解しているからです。完璧に理解しているからこそ、分かりやすい言葉で、理解しやすいように語ることができるのですね。昔若い頃、先輩の先生から「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことをおもしろく」伝えるのが教員の仕事だぞ、と教えてもらったことがあります。難しいことを、いかに簡単に分かりやすく説明するかが腕の見せ所であり、易しいことを深く語るためには本人に哲学がないとできません。おもしろく表現するのは、能ある鷹が爪を上品に隠すためです。若いころからこの言葉を胸に、授業をしてきたつもりですが、なかなかうまくいきません。

 数年前に東京大学の理Ⅲに合格したW君、二次試験前に英作文指導で毎日添削をしていたんですが、本当に簡単な英語(中学生レベルの語彙)を使って、難しい内容をサラッと書いていたのを思い出します。それは見事なものでした。これが力だ、と今も生徒たちに話してやっているんです。

 私が大好きなプロ野球解説者の権藤 博さんが、こんなことをおっしゃっていました。

 分の見聞きした物事を他人に説明するのが下手な人をたまに見かける。こういう人は物事の要点を掴めず、余計なことばかりを話すから相手にその真意が伝わらないのだろう。物事を難しく語る人も説明下手な人間のうちに含むことができる。物事を難しく語る人は難解なことがらをシンプルに説明することができない。本当に賢い人とは難しいことを誰ででも分かるように簡単に、シンプルに話せる人だ。難しいことを難しくしか語れない人は決して賢いとは言えないのである。(『教えない教え』p.133)

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