according to me

辞書の「communication」の項目 7月17日付の『産経新聞』に掲載された「ワンポイントレッスン」(メラニー・バー先生)は、”according to me”「私によれば」という間違った表現についてでした。当然のことながら、”in my opinion”と言わなければなりません。×According to me, it is not as humid as it was last year.  according to…は、話者の知識・見解が他からのものであることを意味する表現だからです。”on the authority of; as stated or reported by”と、語義が出ていることからも、me, us, my, ourなどの語と共起することはきわめて不自然であることが分かります。松江北高のALTジェーン・ハンフリー先生は、”pompous”であるとして認めませんでした。LDOCEでも「×according to me/ according to my opinion[point of view]と言わないように、in my opinionと言うように」と注記がつけられていますね。Longman Exams Dictionaryにも同じ注意が見られます。Collins COBUILD English Usageも同様です。M.Swan、Nigel D. Turtonなども同様の観察を示しています。私たちの『ライトハウス英和辞典』(第6版)でも「「…の意見では」にあたるのはaccording to …’s opinion[view]ではなくin …’s opinion[view]、あるいは単にaccording to Janeなどである」と用法注記を付けています(イルソン博士の見解です)。ただし、言語学的には、尊敬する奥田隆一先生(2009)「According to meの語法」『関西大学外国語学部紀要』第1号(『英語語法学をめざして』(2013)に収録)のような、もう少し突っ込んだ詳細な検討が必要だと思います。⇒コチラで奥田先生の論文を読むことができます

 さて、今日の問題はここからです。学習的には上記の扱いでよいと思うのですが、according to his opinionという表現の容認度に関しては、少し検討が必要かもしれません。英語教育』11,1988年のQBにおける福村虎治郎教授の検証・解説によれば、インフォーマントの反応はOKだとして次のように結論づけておられます。

 インフォーマントに意見を尋ねる場合は、英文の適・不適が意識されて、自然の状態の英語英語行為と違うのが普通です。現段階では実例はきわめて少なく、もう少しこれを見出したいと思うのですが、実際にはaccording to one’s opinionは、上に掲げた辞書や参考書の説明から推測されるような非標準的な表現とは言い切れず、かなり使われているのではないかと思われます。最後に学習辞典ではどう取り扱うべきかという問題ですが、学生には入学試験という現実の問題がありますので、採点者によって違いが生ずるおそれがあるような英語は、例文としてあげることは避けた方が無難と思います。

 先ほどの本校ALTジェーン先生と、この問題を話し合ってみました。ジェーン先生は、according to his opinionという表現について、しばらく考えておられましたが、「自分は文脈によると思う」とおっしゃいました。どういうことか?と尋ねると、普通に「彼が言うには」の意味の使い方であれば、オカシイと思う。しかし、彼が研究した詳細なレポートがあって、そこに書かれている「彼の意見」では、という意味ならば問題はない、とおっしゃいました。一種の証拠の機能を果たしているのですね。英語も一筋縄ではいきません。私たちの編集顧問のアルジオ博士も、”according to someone’s opinion” does occur, but is probably a blend, is wordy, and is stylistically poor”と述べられました。

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