代ゼミ閉校

 代ゼミ大手予備校の代々木ゼミナール駿台、河合塾、代ゼミが御三家)が、少子化に伴う受験人口の減少や、現役志向の高まりに伴う浪人生の減少」(代ゼミ広報企画部)のため、全国に27ある校舎を7か所にまで減らすことを決めた、というニュースが流れびっくりしました。残る20か所は2015年度以降の生徒募集を停止します。えー、あの代ゼミが?って感じです。広島も岡山もなくなります。少子化による受験生の減少や、競争の激化を理由に挙げる新聞報道がほとんどでした。「国公立二次・私大全国総合模試」「全国センター模試」「センター試験プレテスト」も廃止。大学入試センター試験の自己採点結果の集計・分析を行い志望校選定の指標として長年使われてきた「センターリサーチ」(約42万人が参加)も、来年1月からとりやめるそうです。私はこの資料が見やすくて大好きだっただけに残念な思いです。高校の進路指導にも大きな影響が出そうです。講師や職員も希望退職を募るらしいので、これまた大打撃ですね。

 ここまでは、大半の新聞やニュースで取り上げられていました。しかし「日本経済新聞」(8月24日付け)だけは、もう少し突っ込んだ分析を提示していました。浪人生の減少と現役志向の高まり(大学全入化)…90年代には20万人いた浪人生は現在約8万人、さらには「大学全入時代」を迎える、国立・理系志向の受験生の増加(国立理科系志向)…代ゼミは私立文系を得意とする、人気なのは理系、経営効率の悪さ(個別学習志向)…1教室に100人以上を収容する大型教室で一斉授業を展開、個別学習に対応できず映像配信型で後手を踏んだ、という三つの受験生の変化に対応できなかったことが経営を圧迫した、としています。大きくなりすぎたために、代ゼミの校訓「日日是(ひびこれ)決戦」に敗れたということでしょう。私は生徒に、新聞も同じ記事を読み比べてみるように薦めていますが、このように新聞によって視点が異なり、分析の深さも大きく異なることがあり、いい勉強になります。日本経済新聞」はそういう意味で、切り口が斬新なことが多いですね。私が今一番高く買っている新聞です。現役高校生対策の囲い込みに出遅れたことも一つの要因かと思われます。

 広島に代ゼミが学生寮を建てた時に、学生が集まらなくなったら、いつでもホテルに売却できる設計(間取り)になっているんだ、という話を聞いたことがあります。先の非常時の予想もしながらの拡大だったんですね。今も大量閉鎖後の建物は、ホテル・会議室等などの不動産業で生き残っていくのではという噂が絶えません。創業者の高宮行男さんの持論役者、小屋、出し物」の三拍子をそろえるために、巨費を投じて、有名講師(確かに『講師の代ゼミ』という定評でした。でも不可解な辞め方をしていった講師を何人も知っています)、鉄筋の校舎授業の質にこだわり続けました。どこへ進出するときにも「地域一番店」を追い求めました。大きくなりすぎたために、舵を切りきれなくなってしまったんでしょう。

 20年前だと大学入学者は、現役2に対して浪人1でした。今は6対1です。「大学全入時代」を迎えて、浪人を避けて、入れる大学に入ってしまう風潮が全国で強まっています。松江北高の補習科(浪人生クラス)もかつては100名を超える生徒が在籍していましたが、最近は毎年定員割れが続いており、今年はわずか22名です。「どんなことをしても●●大学に入るんだ!」という強い志を持った生徒は少なくなっています。代ゼミの校舎閉鎖は他人事ではすまされない問題です。

 今朝(8月27日)の「めざましテレビ」の「さきつぶ」のコーナーで、前刀禎明(さきとうよしあき)さんは、この問題を取り上げて、企業側の構造改革としては素晴らしい、ちまちましたことをやっていても変わらないので思い切った改革をした点が高く評価できる、さらには大学全入時代を迎え、就職予備校と化している大学の在り方が問題であり、大学で学ぶ意味を今一度考えてみるいい機会である、という分析を披露しておられました。やはりこの人の考えることはすごいなあ、と改めて感じました。 

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