福砂屋本店

◎週末はグルメ情報です!!

 知り合いにもらって初めて食べたのは、もう30年以上前のことです。以来ずっとカステラは、長崎福砂屋」(ふくさや)に決めています。美味しいんです。そんな話をよくするものですから、卒業生たちが帰省するときに、よくお土産に持ってきてくれたりします。ありがたいことです。創業以来(1624年寛永元年)一貫して不変の、手作りによる製法を守って製造しておられます。永い年月の積み重ねの中で、鍛えぬいて会得した職人さんの「手わざ」撹拌技術が、福砂屋」のカステラの美味しさを支えています。精選吟味した厳選材料を用いて、ミキサーを使わず、熟練の手わざで手間暇をかけて作ることで、ふっくらと焼き上げ、しっとりとした食感、コクのある甘みと風味を生み出しているんですね。昔は長崎だけで手に入るカステラだったんですが、最近は全国展開しており、大きなデパートでは全国どこでも買えるようになりました(昭和27年に東京支店、昭和52年に本社多良見工場、昭和58年に福岡支店、平成4年に大村工場開設)。以前は「福砂屋」のご主人は、気に入ったカステラが焼けないと、お店を閉めてしまわれました。従業員たちは焼け損ないのカステラ(これも他店のカステラよりもはるかに美味しいのですが)をもらって帰っては、ご近所にお裾分けするので、激怒したご主人は、それ以来廃棄処分にしておられました。私はこういう頑固な職人気質のお店は大好きです。今はもう大量に作っておられますがね。宮中お買い上げのカステラ界の名店です。

 長崎にカステラの老舗は数多くありますが(私はさだまさしさんの影響で最近「糖庵」(とうあん)のものも食べるようになりました)、その中でも老舗中の老舗である「福砂屋」。本店は、長崎市思案橋(しあんばし)の近く、丸山公園のそば船大工町にあります。瓦屋根に白壁、黒のシックな看板は、脈々と受け継がれてきた歴史を感じさせる佇まいですね(写真上)。ひっきりなしに観光客や地元のサラリーマンが、手土産にとお店を訪れています。私は今回、思案橋電停から3分ばかり歩いて、久々にこの白壁商家造りの本店を訪ねましたが、今日も超満員のお客さんでしたね。ここ本店にはコレクションしたギヤマンを展示していて、見学することもできます。

 日本にカステラが伝来したのは、ヨーロッパ諸国の海外進出が盛んであった、大航海時代真っただ中の16世紀中期のこと。当時、日本ではスペイン・ポルトガルとの間で南蛮貿易が行われており、その窓口であった長崎に、カステラをはじめとした様々な食べ物や文化などが伝えられました。その後、「南蛮菓子」だったカステラは、独自の変化を遂げて、栄養価が高いことから医学従事者を中心に全国へ広まったと言われています。ポルトガルのお菓子と思っている人も多いと思いますが、実はカステラはもともと、カスティーリャ王国(現スペイン)がルーツといわれます。長崎に伝来した際、ポルトガル人が、「これはカステラ(ポルトガル語ではカスティーリャをカステラと発音)王国のお菓子だ」と言ったのを、「カステラ」と日本人が聞き取ったことから、そう呼ばれるようになったのが起源だと言われています。

 創業年1624年、日本が鎖国へと向かっていく激動の時代に、初代「福砂屋」は、貿易商として砂糖、米など、様々な品目を扱っていたと考えられています。砂糖は福州(福建省)から長崎へ運ばれており、福砂屋」の「福」は、中国の福州、福砂屋の「砂」は、砂糖の砂からと言われています。ポルトガルやスペインだけでなく、中国とのつながりも深いのですね。

 「福砂屋」のロゴマークは、上の写真からも分かるように「コウモリ」です。普通なら「えー、そんな不吉な!」と考えられそうですが、蝙蝠」(こうもり)の「蝠」の文字が「福」に通じ、また中国語では同じ発音をするらしく、慶事・幸運の印と尊重されているところからきているそうです。このお店は天和2年の大飢饉の際に、米を拠出して唐寺「崇福寺」に寄進して、それで粥を作って人々にふるまったといいます(大釜がが境内に残っている)。その「崇福寺」の管主から「蝙蝠」を使うことをすすめられたそうですよ。初代は「福」の字を使った登録商標でしたが、明治時代に入り12代清太郎氏が、コウモリに改めました。コウモリと改めたのには、中国との繋がりにあります。カステラに使う砂糖など、当時、物資調達に重要な交流先であった中国では、コウモリは、幸運の印とされており、縁起が良いものでした。カステラのパッケージのシールや、お店の暖簾などをよく注意して見ると、コウモリがたくさん見つかるはずです。

 1624年(寛永元年)に創業して以来、「手づくり」にこだわる「福砂屋。卵を割ることから、泡立て、攪拌、焼き上げなどすべてのプロセスを職人さんが行っています。攪拌の際には、ミキサーは一切使わず、職人さんが長年の経験を積んで得た「手わざ」によって美味しいカステラが生み出されています。福砂屋」で使っている素材は、卵、小麦粉、上白糖、双目糖(ザラメ)、水飴(米飴)」のみを使って、ふっくら焼き上げています。添加物、ハチミツ、水、牛乳、ふくらし粉などは一切使用していません。無駄なものを使わず、素材で勝負しているのです。また、材料の一部である「卵」ですが、福砂屋ならではの行事として「卵供養」があります。1年に1度、毎年5月に菩提寺である「正覚寺」にて行われます。「社員全員が参列するもので、カステラの材料として日々に使う卵に感謝の気持ちを捧げ、供養します。卵へのこだわりや愛情が感じられる「福砂屋」ならではの行事です。

 「福砂屋」のカステラの大きな特徴と言えば、カステラの底に残ったザラメですが、そうなっているのにはちゃんと理由があります。福砂屋」では、材料を攪拌するときに、ザラメ糖の角をすり減らしながら、生地に馴染ませていきます。その際その一部を沈殿させて残しているのです。ザラメが溶けすぎてもダメ、全く溶けないのもダメ、コツはザラメをすり減らしながら、カステラの底に沈み残るようにすることだそうです。このザラメが職人さんによる手作りであることのまさに証なのです。このザラメ加減が、食べるときにシャリっとした独特の食感を生み出しています。私はこのかすかに歯にあたるしゃりっとしたザラメ感触が堪りません。

 福砂屋」に行くと、「オランダケーキ」(=クルミやレーズンを乗せて香ばしく焼き上げたココア味のカステラ)や「手作り最中」(=自分で餡を最中に詰めて食べるサクサク感が堪らない)も、必ず買って帰るお気に入りの品です。卵と砂糖の配合を多くして粉を少なく配した「特製五三焼カステラ」(2916円)も運がいいと手に入ります。長崎に行くと必ず立ち寄る「福砂屋」ですが、最近では日本中の大きなデパートで手に入るようになりました。でもやはり、長崎の本店で買ったカステラは、微妙に味が違うと感じるのは、私だけでしょうかね?最近では1個から買える小箱入りの「フクサヤキューブ」というおしゃれなパッケージの商品も好評のようです。

 今日は私のお気に入りの「福砂屋」のアレコレでした。⇒HPはコチラ

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