虹の色

 早朝に、松江大橋を自転車で渡っていると、きれいな虹がかかっていました。美しい!久しぶりに見た虹の想い出を今日は取り上げます。

 学生時代に鈴木孝夫(すずきたかお)教授(慶應義塾大学)『ことばと文化』(岩波書店、1973年)を読んでいて、虹にはいくつの色があるかと日本人に聞けば、7に決まっているという答えが返ってくるが、世界のいろいろな言語を視野におくと、虹の色の数は必ずしも7色とは限らないことを知り、衝撃を受けました。空にかかる美しい虹の色の数が、言語により異なるというのは、私には意外な事実でした。アメリカでは6色だとのことでした。そしてこういった事に関しては、英語の辞典や百科事典はあまり役に立たないことを指摘しておられました。この薄~い新書は、私のその後の英語の勉強にいろいろと影響を与えた「恩書」です。生徒諸君や若い先生方にも、ぜひ読むように薦めている一冊です。そんなこともあって、松江北高の図書館には、鈴木孝夫先生の本は全て入れてあります。その後も、『日本語と外国語』(岩波新書、1990年)の第二章は、「虹は七色か」と題して、詳しくこの問題を取り上げておられます。大学時代に言語学の授業で習った「サピア=ウォーフの仮説」を思い出します。

 外国語の学習というものは、一般に考えられているような、単に同一の対象(もの、こと)に恣意的につけられた異なる名称(シノニム)を覚えるという作業以上のものなのであり、難しく言えば、与えられた世界を人がどう認識するのかという深い問題につながる側面を持っている。  ―鈴木孝夫『日本語と外国語』 

 虹の色を覚えるのに、日本語では「赤橙黄緑青藍紫」(せき・とう・おう・りょく・せい・らん・し)と言っています。英語圏では頭文字をとって、VIBGYOR(ヴィブジャー)と覚えることも、鈴木先生の著書から学びました。

 violet indigo blue green yellow orange red

綴りを逆にして 「Roy G. Biv」 ということもあるようです。また Richard of York gave battle in vain.(ヨーク公は戦いに負けた) という覚え方も聞きました。それぞれの単語の頭文字を色の名称の頭文字と結びつけるものですね。こういった覚え方のことを、英語では、mnemonics”(記憶術)と呼んでいます。♥♥♥

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