写真は、京都駅の0番ホームですが、ホームにある「0」という表示を見て珍しいと思いませんか?実は駅の改修の都合などで、全国の40ほどの駅(長崎・熊本・盛岡・白浜など)に0番ホームがあるそうです。ですからそんなに珍しいものではありません。多くは1番線の手前側などにホームを新設した際に、全体をずらさずに手前のホームを「0番」としているようです。私が毎週通っている米子駅にも、境線の0番ホームがあります。熊本駅などは、0Aから0Cまで0番が三つもあるそうですよ。京都駅の0番ホームから、向いのホームの表示を見てください。そこには「2」と記されています。そう、京都駅には1番ホームが存在しないのです。京都駅在来線の中央口を抜けると、「0番」と表示された乗り場が見える、北陸方面に向かう特急「サンダーバード」などが止まるホームです。そして隣の乗り場の番号を見ると2番、3番……と続いています。そう、なぜか1番ホームが存在しないのです。
京都駅には、0番線ホームがある。0番線ホームというのは、その駅の歴史
的なことから残っている場合が多いのだが、そのほとんどは比較的小さな駅で、
京都駅のような大きな駅で、いまだに0番線ホームが残っているというのは、
極めて珍しい。
京都駅の0番線ホームは、正式には、東海道本線上り(北陸
方面)のホームである。
しかし、面白いことに、京都駅を通過する東海道本線の上り列車は何本もあ
るのだが、いずれも、0番線ホームを使用せず、ほかのホームを使っているの
である。
よく調べてみると、京都駅の0番線ホームを使うのは、特別な列車というこ
とが分かってくる。東海道本線(上り)のホームだが、北陸本線のホームでも
あるからだ。
大阪発で青森、あるいは札幌に行く寝台列車、つまり、大阪発青森行きの
「日本海」、大阪発札幌行きの「トワイライトエクスプレス」、この二本の夜行
列車が、京都では0番線ホームを利用するのである。この列車は、京都から北
陸本線に向かうのだ。 ――西村京太郎『京都駅0番ホームの危険な乗客たち』
(角川書店、2010年、pp.47-48)