ヘリコプターペアレンツ

 先般大きく報道され大騒ぎになった、札幌・すすきののホテルで首を切断された男性の遺体が見つかった凄惨な事件。警察は、殺人の疑いで親子3人を逮捕しました。犯罪心理学の専門家が、この親が 「正に“ヘリコプターペアレント”の典型だと思いました」と語っているのが目に留まりました。今日はこの「ヘリコプターペアレント」を取り上げます。

 「ヘリコプターペアレント」(helicopter parents)とは、「ヘリコプターのように上空から常に子どもを監視し、何か起きるたびに、すぐに飛んでくる保護者」のことで、子どもに先回りして動きがちな“過保護”で“管理過剰”な親を指す言葉です。空中にホバリングしながら上空から常に子どもの状況を観察し、いざ救助の手が必要な場面を見つけたら、すぐに急降下して現場に駆け付ける。そんなヘリコプターの動きに例えて親の特徴を表したものです。子どもの周囲を常にうかがい、子どもが困っていたり失敗したりしそうな場面を見つけるとすぐに飛んでいきます。そして、子どもの困難になりそうな原因を取り除こうとするのです。このような親には全て、次のような共通した特徴があります:①子どもがすべき問題解決を自分でしてしまっている、②子どもがすべき決断を親がしてしまっている、③自分の理想を子どもに押し付けている、④子どもが失敗する機会を奪っている、⑤子どもに尽くし過ぎている

 この「ヘリコプターペアレント」という名称は、元々はアメリカで生まれた言葉です(1980年代後半)。最初は、高校生以上の子どもに対して過剰な管理態度を見せる親を指していたものですが、現在では子どもの年齢を問わず用いられるようになりました。このようにヘリコプターペアレントに育てられた子どもには、次のような特徴が観察できます。①一人で問題解決ができない、②自己肯定感が低くなる(自分を好きになれない)、③ネガティブ思考、④精神的に不安定になりやすい

 2009年の広島大学の英語入試問題に取り上げられており、そこで私は初めてこの言葉を知りました。問題点を的確に分析したいい文章なので、松江北高でのヘリコプターペアレンツの実例と共に〔笑〕、私は毎年生徒たちに英語教材として読んでもらっています。興味のある先生方はぜひこの問題を読んでみてください。♥♥♥

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