新課程の「共通テスト」は最後までいかない!

 4月の「第1回全統共通テスト模試」では、英語リーディングの全国平均点が40点台にようやく載るという惨状でした。今年の「共通テストリーディング」が過去最低の平均点だったことを受けての出題です。来年の「新課程共通テスト」では、今までにない新しい形式の問題が出題されることもあり、事態は深刻です。米子東高校の現役三年生たちも最後まで行かなかった生徒が多いようです。

 新課程の進研6月の共通テストマーク模擬試験を終えてみて、ほとんどの受験生が最後まで解き終わることができないという実態に直面しています。昨年までの「共通テスト」でもそうだったのですが、新課程になり問題構成が変わり(第1問~第8問)、さらには新課程の新たな目玉問題と今までに経験したことのない問題(第4問・第6問)が加わり、さらにこの悲鳴は深刻なものになってきました。

 全国の受験生にとって「共通テスト」英語(リーデイング)で今まで最も多い悩みは、「80分で最後まで解き終わらない」ということでした。「センター試験」時代以上に、時間制限に一段と拍車がかかったのが「共通テスト」です。「時間さえあれば。高得点を取れるのに…」とか「ギリギリで終わるけれど、見直しの時間がなくて不安」といった声をよく聞きます。最後まで行かない人には、実は2つのタイプがあって、そのどちらかによって対策も変わってくるんです。まず1つめのタイプは、「時間を延ばしても点数が取れない人たち」です。もう1つは、「80分ではきついけれど、もうちょっと時間さえあれば高得点を取れる人たち」です。自分がどちらに属するのかによって対策も変わってきます。特に対策を急がないといけないのはのタイプの生徒たちです。

 「時間をかければ高得点が取れる」というのタイプの人は、時間配分を意識した演習をこなしていきます。まずは、<試験時間+10分>⇒<試験時間+5分>⇒<試験時間ジャスト>⇒<試験時間-5分>で、徐々に「見直し時間」まで確保するという目標をクリアしていきます。そのためには、無駄のない解答手順に慣れる必要があります。本文を読み始める前に、冒頭の「場面設定」(=状況を説明する前置き的な英文)を必ず頭に入れ、「設問」を先読みして、何が問われているのかを意識した上で本文を読み、該当箇所が出てきたらマークをしておく。資料問題では、グラフ・図表に目を通し、本文の主題や問われているポイントを把握してから、本文を読みます。選択肢の正誤の判定では、本文の該当箇所と照らし合わせ、解答の根拠を明確にすることです(=「原文典拠の法則」)。その際に、練習では、誤りの選択肢(=ダミー)も「なぜこの選択肢は間違いなのか?」というキズを人に説明できるレベルにまで高めておくのが効果的です。丁寧な解答のプロセスを確立しましょう。

 四年間「共通テスト」の指導をしてきて、生徒たちの最も大きな悩みは「最後までいかない」という時間不足問題なんです。の人たちは、当然高得点は取れません。その原因の大きなものは四つあります。一つは「語彙力不足」です。英文を読む際に、知らない単語が出てきたら目線がそこで止まってしまいます。知らない単語の度に止まっていたら、どうしても読むスピードは落ちてしまいますね。二番目は「文法力不足」です。単語と同様に基本的な文法事項が分かっていないと、英文を読む際に時間が多くかかってしまいます。十分な知識がないと,英文を正確に理解することができないのです。三番目が「形式への慣れ不足」です。事実と意見を識別する、出来事を並べ替える、複数の情報を統合して答える問題など今までになかったタイプの問題が多いですから、これに慣れておく必要があるのです。四番目は「時間配分の意識の希薄さ」です。センター試験の時よりも長文2題分は分量が増えているのですから、スピード感を持って読まないと最後までは終わりません。それには各大問をおよそ何分くらいで処理すればよいかを大雑把に頭に入れておく必要があると思います。全体のペース配分が重要なんです。特に新課程入試の来年からは問題構成も今までとは変わりますから、余計に注意が必要です。

 6月の「進研模試大学入試共通テスト模試 英語(リーディング)」を終えて、大きな問題点にぶつかっています。勝田ケ丘志学館の64%の生徒が最後まで読み切ることができずに、途中で80分の時間切れとなっていました。最後まで行った生徒たちは高得点を取っています。浪人生でさえこの有様ですから、ましてや現役生はなおさらでしょう。「最後まで行かない!」ということが深刻な問題となっているのです。

 「共通テスト リーディング」の指導をしてきて、今述べたように、生徒たちの最も大きな悩みは、圧倒的に「最後まで行かない!」という、「時間不足」問題なんです。最後の問題(新課程では第8問)をやっている途中で、制限時間の80分が切れてしまうのです。当然のことながら、高得点は取れませんね。特に現役生に、この傾向が顕著に見られます。その原因の大きなものは四つあると考えます。

 一つは「語彙力不足」です。英文を読む際に、知らない単語が出てきたら目線がそこで止まってしまいますね。知らない単語の度に立ち止まっていたら、どうしても読むスピードは落ちてしまいます。「2秒」で反応できなければその単語を覚えていることにはならない(「2秒ルール」)、というのが私の持論です。私は浪人生たちに、『LEAP』(数研出版)『英単語の語源図鑑』(かんき出版)の2冊を用いて、今まで学習してきた語彙の上に、積み上げを図っています。今までに学習した単語群を、ネットワークで繋げてやることで一層の定着を図り、語源を利用することで応用力を高めています。私は毎時間、口頭で単語の確認試験を行っているんです(⇒私の単語指導実践の詳しい解説はコチラをご覧ください)。ほとんどの生徒はこの単語力」でつまづいています。

 二番目が「基本的な文法力」です。仮定法・助動詞・分詞・不定詞・動名詞・時制(特に過去完了)などの基礎的な文法が定着していないので、正確に英文を読み解くことができないのです。センター試験時代のような「文法問題」は出ないから、文法はやらなくてよい、とは決してならないのです。ここら辺を間違えてはいけません。

 三番目が「問題形式への慣れ不足」です。複数の情報を統合して答える問題がありますから、これに慣れておく必要があるのです。「事実」と「意見」の区別問題、時系列に並べる問題、タイトル付け・要約の問題、複数解答の問題、推測して答える問題など、「共通テスト」特有の出題が見られます。『共通テスト2025重要問題演習リーディング』(ラーンズ)に付属している「ナビゲータ-」冊子を使って、大問の主な特徴と迫り方・解き方を押さえた上で、演習を積み上げると良いでしょう。

▲このナビゲーター冊子で私が第1問~第8問までの解き方のツボを解説!

 四番目は「時間配分の意識の希薄さ」です。「センター試験」の時よりも長文2題分は分量が増えているのですから、スピード感を持って読まないと最後までは終わりません。それには各大問をおよそ何分くらいで処理すればよいかを、大雑把に頭に入れておく必要があると思います。全体のペース配分が重要なんです。個人差はあると思いますが、大雑把に次のような時間配分で順に解いていくと良いと思います。私は授業では大問ごとにタイマーをかけて、演習を進めています。日頃の演習や模擬試験などで、時間意識を磨いておく必要があるのです(下記参照)。

■参考までに新課程共通テストの時間配分
第1問  5分
第2問  7分
第3問  6分
第4問  8分
第5問  12分
第6問  15分
第7問  14分
第8問  13分

 センター試験時代は、「大問を解く順番を変えれば何とかなる」などという小手先のテクニックがアドバイスされたこともありました。「共通テスト」ではそんな姑息なやり方は通用しません。今述べた四つのポイントを克服しない限り、最後まで行くことはないでしょう。

 語彙力、②文法力、③形式への慣れ、④時間配分、この四つですよ。♥♥♥

カテゴリー: 英語指導に関して パーマリンク

コメントを残す