QRコード

 2024年8月19日(月)に放送されたカズレーザーさんの「X年後の関係者たち」「QRコード」(キューアールコード)が取り上げられました(何度か再放送もされています)。愛知県のとある自動車部品メーカーが世界の新標準となるある技術を生み出しました。それが「QRコード」です。今では、支払いの決済や在庫管理、各種チケットなど、私たちの日常生活に欠かすことのできない存在となった「QRコード」です。パリオリンピック2024では通行管理システムにも採用されるなど、今や世界中へと広まっていますね。今の普及ぶりを考えれば、社運をかけたビッグ・プロジェクトと思いきや、プロジェクト開始当初のメンバーはたったの2人でした。そこから、いかにして時代の標準規格と成長したのか。成功に至るまでは数々の苦労が…。開発・普及を牽引した関係者たちと共に、その舞台裏に迫る好番組でした。

 「QRコード」は、1994年(平成6)に日本・愛知県の自動車部品メーカーであるデンソーの開発部門(現在は分社化してデンソーウェーブ)が発明したマトリックス型二次元コードです。今ではデータ読み取りや店頭決済用コードとして世界中で多用されています。「QR」Quick Response (クイックレスポンス)の頭字語であり、高速読み取りを目的の一つとしている名称です。「素早い反応」という意味です。その名のとおり、1秒間に30回読み取ることができます。「QRコード」デンソーウェーブの登録商標(日本第4075066号)です。情報を二次元で表現したバーコードの一種です。バーコードのおよそ350倍もの情報を格納できます。スマートフォンや専用のスキャナーを使って読み取ることができ、URLやテキスト、連絡先情報など、さまざまなデータを瞬時に取得できます。特に、情報の取得が簡単で迅速であることから、ビジネスや日常生活において広く利用されています。今では私が購入する海外のマジック製品の説明書には、必ずといっていいほどこのコードが付いていて、ビデオ解説を参照できるようになっています。私の本職の英語の世界でも、問題集や単語集の音声などをこの「QRコード」で提供するものも増えてきました。先日私が訪問した「直島」の美術館の多くでも、この予約QRコードが入館条件でした。スマホを持たない私は、入館時にずいぶん苦労しました。

▲今や、英語の単語集にも「QRコード」が!

 「QRコード」がまだない時代、デンソーの製造工場の現場では部品ををバーコードで管理していましたが、部品管理のためにバーコードを10個ほど並べて読ませていたことから、非常に作業効率が悪かったことと、現場の作業員から「疲れる」との不平不満が挙がり、併せて「バーコードより多くの情報を盛り込めるコードを作って欲しい」という要望が出ました。それに応えるため、日本電装の開発部門に所属していた原昌宏(はらまさひろ)さんにより、1992年から新たなコードの開発がスタートしました

 さんが昼休憩の時間中に社内で打っていた囲碁をヒントに、開発目標としてコードの情報量を増やすだけでなく「正確に速く読み取れること」、また、油などの汚れがつく自動車関連工場で使われることを想定し、汚れや破損への強さにもこだわり、2年の開発期間を経て1994年に完成しましたデンソー「QRコード」を開発したことを公式に発表したのは1994年9月26日で、1998年の時点で日本の自動車業界においてはすでに標準となっていました

     バーコードは横方向にしか情報を持たないのに対し、「QRコード」は縦横に情報を持ちます。そのため、格納できる情報量が多く、数字だけでなく英字や漢字など多言語のデータも格納することができます。また、推奨はされていませんが、濃淡の判別が可能な色合いであれば、色を付けた状態でも読み込むことが可能です。3隅の四角い切り出しシンボル(位置検出パターン、ファインダパターン)が特徴的です。加えて、7列目と7行目などのタイミングパターン、随所に入れられた小さい四角のアラインメントパターン(モデル2のみ)が固定で、それ以外の部分に符号が記録されます。

 特許権者のデンソーウェーブは、まずは「QRコード」が普及するように敢えて特許をオープンにすることとして、規格化された技術に対して特許権を行使しないと宣言しています。近年「QRコード」の中に文字や画像を組み込んだものが一部で使われるようになっていますが、これらの多くは「QRコード」の上に単に文字や画像を載せたものに過ぎず、厳密には「QRコード」の規格に準拠していないため、「QRコード」のエラー訂正のレベルや読み取り機器の性能によってはコードが正常に読み取れない場合があります。このためデンソーウェーブでは規格に準拠していないコードについては「QRコード」と呼ぶことはできないとしています。規格外のコードの使用に対しては特許権を行使することもあり得る、としていましたが、特許権の存続期間満了により非推奨というスタンスに変更されました「QRコード」の開発チームは2014年に、欧州特許庁が付与する「欧州発明家賞」を日本で初めて受賞しています。スマホの普及とともに、一般消費者向けの情報提供手段としても人気が高まり、現在では多くの業界で活用されており、「電子決済」をはじめ、「チラシや広告からホームページへ誘導する」「商品の情報や生産者の情報を確認する」「コンサートやイベントなどの電子チケット」などさまざまです。共通して、「素早く作業を済ませられる」というメリットがあります。バーコードは向きを合わせる必要がありましたが、「QRコード」なら3つの角に配置している四角い「切り出しシンボル(ファインダパターン)」があるため、コードの存在とコード領域を即座に認識できます。どの角度からでも高速で読み取れるため、何度もスマホの向きを変えたり、なかなか認識しなかったりといったストレスとは無縁です。また、「QRコード」は破損や汚れにも強いんです。コードの一部が欠損しても、コード自身でデータを復元する「誤り訂正機能」を持っています。これは、もともと「QRコード」が工業用の油で汚れやすい工場(製造現場)などで使用されることを想定して作られたことによるものです。「QRコード」が普及した要因の一つが、その手軽さです。専用のリーダー(読み取り機)を必要とせず、ガラケーのカメラの画像処理でデータを読み取れることは、2000年代初頭としては画期的でした。これまでのバーコードはレーザーや特殊なセンサーによる読み取りのため、スーパーやコンビニで見かけるような専用のリーダーが必要だったのです。しかし、「QRコード」ならそれらの初期投資を抑えることができました。こうしてアッという間に社会に広がっていきました。今では生活の必需品となっています。今でもスマホを持たない時代後れの私は、海外から取り寄せたマジック商品の演技解説ビデオを視聴することができず、その都度会社にURLを尋ねて教えてもらっています〔笑〕。♥♥♥

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