最近、英語圏の若者文化やネット上で、situationshipという比較的新しい言葉をよく目にすることがあります。元々は2010年代前半から使われていた表現ですが、2020年代に入って、オンラインデーティングの普及や若者の恋愛観の変化と共に、TikTokやInstagramなどで一気に広まりました。Z世代の恋愛スタイルを象徴する言葉として、メディアでも盛んに取り上げられています。アメリカの若者たちが好んで使うこのスラング(slang)は、親しく付き合ってはいるものの、将来への約束はしていないという、男女のとりあえずの関係を意味します。日本語ではぴったり一語で対応する言葉がなく、「曖昧な関係」「はっきり定義されていない恋愛関係」といった意味です。成り立ちは、situationship = situation(状況)+ relationship(恋愛関係)です。relationship (人間関係)ではなく、situation (その時々の状況)に任せる関係だというニュアンスです。結婚のことなどは考えず、その時々の交際を楽しむことは、若い世代の新しいやり方かもしれません。もっとも、自分は真剣な交際を求めているのに、相手との関係がsituationshipに入ったようで、どうしてよいか分からないという人生相談もよく見かけます。結婚を望んでいる相談者に対してカウンセラーは、「situationshipから抜け出したいのなら、相手にはっきりと恋愛、仕事、家族、人生観などを尋ねて、交際を続けるかどうかを決断しなさい」とアドバイスしています。カウンセラーはこうも言っています。「タフな質問をして拒絶されることを恐れていては、何も解決しません!」と。本当のところ、もしsituationshipをrelationshipにしたいなら、一番大事なことは、勇気を出してお互いに心から誠実なコミュニケーションをとることなのでしょうニューヨーク州弁護士・旦 英夫さんの著書『米語ウォッチ アメリカの「今」を読み解くキーワード131』(PHPエディターズグループ、2024年)でも取り上げられていました。
situationshipは、“a romantic relationship between two people who do not yet consider themselves a couple but who have more than a friendship”と定義され、
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恋人とは言えない
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でも友達以上の親密さがある
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付き合っているとは言えないけれど、デートはする曖昧さがある
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将来の約束や明確な定義がない
という関係性を指しています。
ニュアンス・使われ方としてはカジュアル・口語的な表現で、主に恋愛・デーティングの文脈で使われ、少しネガティブ/モヤっとした感情を含むことが多いようです。使い方(文法)は名詞として使います。よくある形は次のような使い方です。
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be in a situationship
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a situationship with 人
使用例を挙げておきましょう。
① 状態を説明する
We’re in a situationship right now.(今、私たちははっきりしない関係なんだ)
We hang out all the time, but we’re not dating. It’s a situationship.(よく会うし仲はいいけど、付き合ってはいない。つまりsituationship)
② 不満・悩みを表す
I’m tired of being in a situationship.(曖昧な関係にうんざりしてる)
③ 関係性の説明
She’s in a situationship with her coworker.(彼女は同僚と曖昧な関係にある)
I’m tired of being in a situationship. I want something more serious.(曖昧な関係に疲れた。もっと真剣な関係が欲しい)
④ 付き合っていないことを強調
It’s not a relationship, it’s a situationship.(恋人関係じゃなくて、曖昧な関係だよ)
We’re not officially dating, but we’re in a situationship.(正式には付き合ってはいないけど、私たちは曖昧な関係なんだ)
Our situationship has been going on for months.(私たちの曖昧な関係は何ヶ月も続いている)
⑤比喩的に
situationshipという言葉は、恋愛に限らず、関係性がはっきりしない状況を比喩的・冗談めかして表す際にも使われることもあります。例えば、
While the season has already started, the superstar athlete and the owners of the team are in a situationship as they negotiate a new contract. (シーズンはすでに始まっているが、スター選手と球団オーナーは新契約をめぐって交渉中で、いわば“シチュエーションシップ”の状態にある)
また近年では、この言葉がシチュエーションシップにある相手そのものを指す表現として使われることも増えています。例えば、
We didn’t call it a date, but my situationship took me out to brunch to celebrate my birthday.(デートとは呼ばなかったけれど、私の“シチュエーションシップ”の相手が、誕生日を祝うためにブランチに連れて行ってくれた)
◆relationship / friendship との違い
| 用語 | 明確さ | 特徴 |
|---|---|---|
| relationship | 明確 | 恋人・交際関係 |
| friendship | 明確 | 友達 |
| situationship | 曖昧 | 境界がはっきりしない |



