キオクシア

 キオクシア」(Kioxia)は、日本の半導体産業界を代表する巨大企業であり、スマートフォンやパソコン、データセンターのサーバーなどに欠かせない不揮発性メモリ「NAND型フラッシュメモリ」「SSD」(パソコン・データセンター用)の大手メーカーです。もともとは「東芝」の半導体メモリ部門でしたが、紆余曲折を経て独立しました。

 社名の「キオクシア」は、 日本語の「記憶(Kioku)」と、ギリシャ語で「価値」を意味する「アクシア(Axia)」を組み合わせた造語です。NAND型フラッシュメモリの市場において、韓国のサムスン電子(Samsung)に次ぐ、世界第2位のシェアを誇ります。

 1987年、東芝の技術者であった舛岡富士雄氏が、世界で初めてデータの長期保存に使うNAND型フラッシュメモリを発明しました。キオクシアはその正統なDNAを受け継いでいる企業です。「キオクシア」という名前になるまでには、東芝の経営危機が大きく絡んでいます。東芝の「メモリ事業部」は、会社全体の利益の大部分を稼ぎ出す超エリート部門でした。その東芝が米国の原子力発電事業(ウエスチングハウス社)で巨額の損失を出し、債務超過(倒産寸前)に陥りました(2015年~2017年)。巨額の債務超過に陥った東芝を救うために、最も価値のあったメモリ事業を切り離して売却することになります。米国の投資ファンドであるベインキャピタルを中心とし、韓国の半導体大手SKハイニックス、さらには日本のメガバンクなどが出資する「日米韓連合」に売却され、「東芝メモリ株式会社」として独立しました(2018年)。東芝グループから完全に離脱したことを明確にするために、2019年、現在の「キオクシア株式会社」に社名が変更されました。

 半導体ビジネスは、毎年数千億円規模の巨額の設備投資(工場や製造装置の導入)が必要です。 そのため、キオクシアは米国のストレージ大手「ウエスタンデジタル(Western Digital / WD)」と合弁を組み、三重県四日市市岩手県北上市にある巨大な製造工場を共同で運営しています。投資リスクや開発コストを2社で折半し、サムスンなどの海外メガテック企業に対抗しています。上場を目指しますが、メモリー市況の悪化に見舞われ、2023年3月期から2年続けて巨額の赤字を出すなど目算が狂い、分社化から8年近くたった2024年12月に、ようやく上場しました。上場後は好調な業績が続いています。

① 経営統合(合併)の噂と破談

 ここ数年、共同投資パートナーである米ウエスタンデジタルのメモリ部門と、キオクシアが経営統合(合併)するのではないかという交渉が何度も報じられています。 実現すればサムスンに匹敵する世界最大級のメモリメーカーが誕生することになりますが、出資者である韓国のSKハイニックスの反対や、各国の独占禁止法の審査、さらにはウエスタンデジタル側の組織再編などが絡み、2026年現在も合意と破談(または停滞)を繰り返す複雑な状況が続いています。

② 悲願の株式公開(IPO)

 キオクシアは、東芝から独立して以来、東京証券取引所への株式上場(IPO)を目標に掲げていました。 半導体市況(メモリの価格が上がったり下がったりする波)の悪化によって何度も上場延期を余儀なくされてきましたが、市況の回復を見計らって常に上場のチャンスを狙っていました。上場を果たすと、それまでの不安定さがまるでうそであったかのように、追い風が吹き始めます。2026年3月期決算は、売上高が前年比37.0%増の2兆3,376億円、本業のもうけを示す営業利益は前年比92.7%増の8,703億円、純利益は2倍超の5,544億円と、いずれも過去最高を更新しました。業績を後押ししているのは世界的な生成AI(人工知能)投資の急増です。AIの普及でデータの処理量が増え、データセンターの新増設の建設ラッシュでNANDの需要が急増すると、キオクシアは一気に光が当たるようになったのです。

 日本の半導体「日の丸連合」としては、受託製造(ファウンドリ)の「ラピダス(Rapidus)」ばかりが注目を集めがちですが、すでに世界中で使われている最先端メモリの量産実績と高いシェアを持っているという意味で、キオクシアは現在も日本の半導体産業の「文字通りのエース」と言えます。今では同社の株価の上昇が止まりません。キオクシアホールディングの株価の時価総額は42兆円と日本の上場企業でソフトバンクグループトヨタ自動車に次いで3番目でした。ところが最近、株価が大幅に上昇し、時価総額で国内上場企業のトップに立ちました(44.3兆円)。2024年12月に上場してから、わずか1年半で国内トップになった計算です。キオクシアは、AI分野からの旺盛な需要を受け、価格は130%以上も高騰し、供給不足は2027年まで続くと予想されています。確かに、私がいつも買っているキオクシアのデジカメ用のSDカードは、現在どこの電気店でも「品切れ中」です。そして値段もずいぶん高騰しました。どこへ行くにも一眼レフカメラを持参している八幡は、SDカードがピンチです。ただメモリー半導体分野では、3~4年周期で好不況を繰り返す「シリコンサイクル」と呼ばれる循環があると言われているので、先行きへの警戒感も出ています。♥♥♥


【その後の顛末】 今日偶然、松江駅前のローソンで、奥の方にこのキオクシアの64GBのSDカードがひっそりと売られていることに気がつきました。値段を見てビックリ!!ヤマダ電機の半額です。すぐに買って帰りました。ずいぶん前の安い時期に仕入れた物が売れ残っていたのでしょうか?それにしても、ローソンSDカードとは!!

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