『ダ・ヴィンチ』休刊!

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▲『ダ・ヴィンチ』6月号

 KADOKAWAから毎月発行されている月刊誌『ダ・ヴィンチ』が、2026年11月号(2026年10月6日発売)をもって、休刊することとなりました。休刊が発表されると、「読書の幅を広げてくれた雑誌だった」「時代の変化を感じる」「寂しい」といった惜しむ声が数多く見られました。作家やクリエーターからも、作品や作家を読者につなぐ貴重な場だったとの声も寄せられています。長年同誌を定期購読をしてきた私は、突然の発表にビックリ仰天しました。1994年4月、本の情報誌として株式会社リクルートで創刊され、その後、株式会社メディアファクトリーへの移管を経て、2013年以降は株式会社KADOKAWAから刊行を続け、現在に至っていました。「創刊から32年、時代とともに誌面の特色を変化させながらも、『本の楽しさを伝える』という一貫した役割を担い、常に読者と作品との新しい出会いの場を創出すべく邁進してまいりました」と紹介し、「しかしながら、昨今の出版市場の劇的な変化や、読者の情報摂取スタイルの多様化を背景に、今後は紙媒体としての役割に一つの区切りをつけ、これまで培ってきた編集力とブランドを次なるステージへと継承・発展させるべく、今回の決定となりました」と、休刊のいきさつを伝えています。

 『ダ・ヴィンチ』は1994年に創刊され、単なる新刊紹介にとどまらず、文芸・マンガ・ライトノベル・エッセイなど、ジャンルを横断して“本の魅力”を伝えてきた雑誌です。 作家インタビューや特集の独自の切り口で、本好きから絶大な支持を集めており、「この雑誌で新しい本に出会った」という読者も多かったはずです。

 そんな雑誌が休刊に至った背景としては、出版社のKADOKAWAは2つの点を挙げています。読書情報や作家情報を得る手段が雑誌中心だった時代から、WebサイトやSNS中心の時代へ移行したことが大きな背景です。

①紙媒体の役割の変化

 創刊当時はまだインターネットが一般化する前で、本の情報をまとめて得ることのできる雑誌の価値は高かったのです。ところが、スマートフォンの普及やSNSの台頭により、読者が本の情報を得るスピードや方法が劇的に変化してきました。リアルタイムで手軽に作家情報・レビューや新刊情報を追えるネット環境が整ったことで、紙媒体の月刊誌で情報を届ける役割が、時代とともに厳しくなっていったのです。近年の出版不況に加え、紙の雑誌の市場全体が縮小傾向にあります。

②Web版「ダ・ヴィンチWeb」の成長 

 特にWeb版は月間4,500万PVを超える大きなメディアに育っており、出版社としても“紙からWebへ”という流れを強めている印象です。 雑誌としての役割が薄れてきたこと、制作コストとのバランスなど、さまざまな要因が重なって今回の決断に至ったのだと思います。なお、姉妹メディアであるWEBサイト「ダ・ヴィンチWeb」については、「今後も継続して運営してまいります」とし、「雑誌『ダ・ヴィンチ』が大切にしてきた思いや求められる役割を継承し、今後はWebならではの機動力を活かし、より一層充実したコンテンツの提供に努めてまいる所存です」と綴っています。デジタルならではの機動力を活かして発展させていこうという選択と集中の経営判断です。紙からWebへ軸足を移すという性格の強い休刊と思われます。

 出版業界全体では、(1)雑誌市場の縮小 (2)紙・印刷・物流コストの上昇 (3)書店数の減少 (4)SNSやWebメディアへの読者流出 が続いています。私はこの雑誌を30年近く定期購読してきましたが、時々掲載されるお気に入り作家の深掘りインタビュー記事や特集記事に注目していました。それとその月に発刊される新刊新書・文庫のリストは毎月チェックして、その月に買うべき本を手帳に記入しておくというのが長年のルーティーンでした。老舗『週刊現代』の隔週刊化といい、雑誌が売れなっている厳しい出版事情の昨今、次々と休刊・廃刊が続くのは寂しい限りですね。32年間続いた「単なる雑誌の休刊」というより、本の情報を紙で届ける時代の一区切りとして受け止められている面が大きいようです。♥♥♥

▲『ダ・ヴィンチ』最新号

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