遥拝

 8月16日の新聞記事を読むまで、私は恥ずかしながらこの「遥拝(ようはい)」という言葉を知りませんでした。「はるかに遠い所からおがむこと」(広辞苑)。「遥か(はるか)彼方から拝む(おがむ)」という意味ですね。高市早苗総理は2026年8月15日、靖国神社への直接参拝を見送り、日本武道館の駐車場から靖国神社の方向に向かって「二拝二拍手一拝」を行う形で遥拝したことが報じられています。神社や御霊の“方向に向かって”礼拝する行為で、実際に参拝(境内に入り拝殿で祈る)できない場合に行われる正式な神道作法です。

 「遥拝」とは、神社に行かず、離れた場所からその方向に向かって拝む行為で、神道の正式な作法であり、単なる「遠くから手を合わせる」以上の宗教的意味を持つとされます。古来、山岳信仰(例:富士山遥拝)や、旅先・病気などで参拝できない場合に行われてきた伝統的な礼拝方法です。高市総理が行ったように、二拝 → 二拍手 → 一拝という通常の神社参拝と同じ作法で行うのが一般的です。

 複数の報道によると、総理は終戦の日(2026年8月15日)に靖国神社への直接参拝を見送りましたが、外交上の影響を考慮したためと見られています。その代わりに、日本武道館の駐車場で車を降りる→東京・九段北の靖国神社の方向を向く→二拝二拍手一拝を行う、という形で「遥拝」を実施しました。また、総理は自民党総裁として鈴木俊一幹事長を通じて私費で玉串料を奉納しています。

 なぜ「遥拝」をしたのでしょう?「靖国神社を無視したわけではない。しかし、首相として報道靖国神社に直接参拝することも避ける」行動でした。報道では以下の事情が指摘されています:

◎中韓との外交関係への配慮
 靖国参拝は周辺国の反発を招くため、総理としての参拝は見送ったとみられます。靖国神社には、太平洋戦争で命を落とした一般兵士だけでなく、極東軍事裁判(東京裁判)「A級戦犯(戦争を主導した指導者)」とされた人々(東条英機・元首相ら14名)が1978年に合祀(あわせて祀ること)されました。中国や韓国はこれに対し、「日本の指導者が参拝することは、過去の侵略戦争や殖民地支配を肯定・美化することと同じだ」と強く反発しています。日本の首相や閣僚が参拝すると、中国・韓国からの抗議声明、首脳会談の中断、経済・文化的交流の停滞など、外交的な摩擦が直接発生してきました。米国も東アジア地域の安定を重視するため、参拝によって日中韓関係が冷え込むことに強い懸念を示します。過去(2013年の安倍首相参拝時など)には、米政府が「失望」や懸念のコメントを出した経緯もありました。国家のために命を捧げた戦没者に追悼と感謝の意を表すのは、国のリーダーとして当然の務めであり、諸外国が口を挟むべき問題はないという反論もあります。他国の反発を理由に参拝をやめることは外交的な屈辱に見える、という懸念もあります。

◎保守層へのメッセージ
「参拝したい気持ちを今できる最大限の形で表現した」と周辺が説明。遥拝は、参拝を望む支持層に対して“姿勢を示す”意味を持ちます。

◎総理自身の過去の言動との整合性
 高市総理は閣僚時代から靖国神社参拝を続けてきましたが、首相就任後は外交環境を理由に慎重姿勢を示していました。

◎遥拝の歴史的背景(一般知識)
古代から、山岳信仰や遠隔地の神社への礼拝として行われてきました。

◎明治以降は軍人が戦地から本国の神社へ遥拝する例も多かった  神聖な場所まで行けないので、その場所を意識して遠くから拝むという発想は日本の宗教文化の中に古くからあります。

◎現代でも、伊勢神宮・出雲大社などに対し、遠隔地から遥拝する人は少なくない

 「遥拝」は「参拝の簡易版」ではなく、神道における正式な礼拝方法です。高市総理は、中国・韓国など近隣諸国との外交関係や周辺への影響を考慮し、自身の政治姿勢や英霊への敬意を示すために遥拝を選択したと報じられています。

 高市総理が終戦の日に直接参拝を避けつつ、「遥拝」という形をとった背景には、保守層への配慮を見せつつも、中国や韓国との直接的な外交衝突をできる限り抑えたいという高度な政治判断があったと見られます。しかし、昨年の自民党総裁選で、高市首相「靖国神社参拝」について「いついかなる立場であっても参拝を続ける」「英霊への尊崇の念を持って参拝を続ける」「外交問題にすべきではない」「国のために命を捧げた方々に哀悼の誠をささげるのは当然の行為であり、他国から批判される筋合いのものではない」と繰り返し明言してきました。ところが、首相に就任すると、「適切な時期に判断する」「具体的な参拝日程については言及を避ける」「状況を見ながら適切に判断する」とまるで保険をかけたようにぼかしていました。そして8月15日の終戦の日の靖国神社参拝を見送りました。こういうのを「ブレる」と言うのです。こういう人の言うことは信頼ができませんし、尊敬もできません。❤❤❤

カテゴリー: 日々の日記 パーマリンク

コメントを残す