私は高校時代に、英語の授業で「○○に同意する」の意味で、「agree with 人/agree to 物」という公式を叩き込まれた世代です。I agree with the writer. / ?I agree to the writer’s opinion.という使い分けです。今でもまだこのような機械的な記述をしている文法参考書や文法・語法問題集や熟語集を見ることがあります。日本の学生たちは何世代にもわたってこうした「疑似公式」を教わってきたようです。未だにこんなことを教えておられる先生はもうおられないでしょうね。
日本の学生たちは何世代にもわたって、一連の擬似数式として英語を教わってきたように思われます。その中の一つに「agree with +人」「agree to +物」があります。数学の数式のように、言語のような漠然とした分野に応用しても、真実の近似値を匂わせることしかできません。その数式がそもそも間違っていたりすると、問題はさらに悪化することになります。「agree with +人」は覚えておくと何となく役に立つかもしれませんが、「agree to +物」は非常に誤解を招きがちな「公式」です。agree with himと言えば、「話し手が彼の言っていること(=彼の意見)に賛成である」という意味です。ならば、I agree with him.とI agree with his opinion.は基本的に同じ意味のはずです。それなのに公式に従って、後者は前置詞をtoに代えなくてはならないのでしょうか?全くそんな必要はありません。agree with~は、人・意見・方針と「同意見である状態」を表す時に使います。前置詞withの基本語義(コア)「共にある」という感覚から、人や意見などと自分の心が「同じ性質を持つ」という感覚で用いるのです。心から共感するというニュアンスが感じられる表現ですね。withは「一致する相手」を示すイメージで、人だけでなく物が来てもその内容(意見・意思)に同意するという意味で使うことができます。話し手が I agree with him と言った場合、「彼の言っていること(=彼の意見)に賛成である]という意味だというのは、誰にでも簡単にわかります。したがって、I agree with himとI agree with his opinion は基本的には同じ意味です。変える必要は全くありません。
I agree with you.(あなたに賛成です)
I agree with the idea.(その考えに賛成です)
I don’t agree with his opinion. (彼の意見には賛成できない)
I agree to your plan.(あなたの計画を受け入れます)
She agreed to the terms.(彼女はその条件に同意した)
agree to の後には動詞の原形が続くことが圧倒的に多く、He agreed to help me.「~することを引き受ける」という意味です。名詞とつながることはめったにありません。実のところ、この後に置かれる名詞はproposal(提案)、plan(計画)、 terms(条件)、 idea(考え)、request(依頼)くらいです。toは方向性を示すため、外から出された案に対してGOサインを出すイメージです。「外部から提示された提案・計画・条件などに対して承認する、同意を与える」というニュアンスです。例えば、I have agreed to sell him my car.(私は彼に自分の車を売ることで同意した)と言う場合、話し手が言っているのは、「私は、彼が私にしてもらいたがっていること「彼に私の車を売ること」をすると彼に意思表示した」ということです。I have agreed to his proposal. と言う場合も、話し手が言っているのは、「私は、(何であれ)彼が欲していることをやると意思表示した」ということです。どちらの場合も、行動が示唆されています。これが、agree toがほぼ必ず動詞と共に使われる理由なのです。
I ×agree to /○agree with your opinion on this point. 私はこの点であなたと同意見です。
例えば「あなたの提案を承諾する」は、agree to your proposalですが、△「意見を承諾する」は不自然ですね。agree to~は、提案や要求に「同意する・従う行為」に使います。前置詞to は「一点に向かい到達する」(→)イメージを持っていますから、要求や提案などに「自分の同意する心が向かう」行為を表します。withとは違い、自分の考えや思いは置いておいて、渋々受け入れたり、従ったりするような場合にも用いる表現です。
ここら辺をまとめると、次のようになるでしょう。
【語法】 agree with…は人や物事に賛意を表わす意味で用いる。agree to…は提案などに承諾を与える意味で用い、人には用いない。 ―『ライトハウス英和辞典』(第7版)

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竹岡広信先生の英単語集『LEAP』の第1番目の単語がagreeで、「agree with~「(人・人の意見)に賛成する」 agree to~「(計画・提案)に同意する」と出ており、さすがです。ネイティブの感覚では、対象が意見か/提案かで使い分けるのが最も自然です。
質のいい英英辞典にagree with/toについて何と書いてあるか、ちょっと調べてみてください。 agree on についても同様で、私が教えている生徒の大部分はこの表現をよく知りませんでしたが、こちらの方が、名詞とともに使う表現としてはagree to よりずっと一般的なのです。話し合って合意に対する対象(議題・問題点・金額など)を示します:They agreed on the schedule.(スケジュールで合意した)♥♥♥
agree with You agree with someone. You agree with an opinion or statement.
agree to You agree to a plan or suggestion.
agree on/ about People agree on or about a subject. [LDOCE]
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