山陰線の「Urara」

 JR西日本は2026年3月14日のダイヤ改正に伴い、国鉄型115系を置き換えて、山陰エリアで鮮やかなピンク色の車体の227系電車「Urara(うらら)」の運行を始めました。最新型の普通列車です。岡山・備後エリアで2023年から運行する227系「Urara」のデザインコンセプトは、「豊饒」「穏和」からの造語となる「豊穏(ほうおん)の彩(いろどり)」岡山の桃、福山のバラ、尾道の桜など、沿線を象徴するピンク色をシンボルカラーに据えて、太陽の恵みや穏やかさを暖色のグラデーションで表現するデザインです。赤が基調の広島エリア向け車両とは同じ暖色系ですが、それとは異なる岡山独自の「桃色の風」をイメージしたピンクのカラーリングとなっています。車両のデザインは、沿線利用者に愛されることや、岡山らしさの表現を目指し、これまでの本社やメーカー主導ではなく、岡山支が加わったワークショップを開催して検討が進められました。その中では、岡山エリアを走る車両の伝統を引き継ぐことも案に上がり、その結果、側面のグラデーションには、かつての117系「サンライナー」塗装をイメージさせる意味合いも込められたといいます。伯備線山陰線を走る普通列車としては、2003年以来、23年ぶりの新型車両の投入となります。「うらら」は計16両(1編成2両)導入され、伯備線新郷―伯耆大山山陰線伯耆大山―西出雲間で計22本運行されます。私は週に一度この電車にお世話になっています。揺れの少ない最新の制御システムを使った新しい車両だけに、キハ系車両に比べ乗り心地は快適です。

 細かいデザインの部分では、愛称の「Urara」のほか、岡山の10路線を描いたエリアシンボルマークを配置。暮らしや街を繋ぐスムーズな移動の実現や、晴れの国の太陽のイメージを表現しています。愛称のロゴや岡山・備後エリアのシンボルマークは、車体各所に描かれていました。車内にもずいぶん配慮が加えられています。広島エリア向けの車両と同様に、転換クロスシートを中心に設置。ただし、両開き扉付近の混雑を解消して乗降をスムーズにするため、ドア付近のスペースをより広く取っています。これによって、扉間の座席は広島エリア向けより1列少ない4列配置となっていました。1編成当たり2カ所に、車いすスペースも設置されています。駅のホームとのすきま・段差も小さく安心して乗り降りができるのも嬉しいポイントです(キハ系は怖いんです)。

 車内には防犯カメラを設置し、車いすベビーカーが利用しやすくなるように、従来の車両よりもドア付近のスペースを広げました。座席は背もたれの向きを変えられる「転換クロスシート」を採用するなど利便性を向上させています。でもほとんどの利用客は転換せずにそのまま乗っておられるようです。岡山地区ではバタンバタンと転換がなされるのを私は目撃しています。

▲広々とした多機能トイレ

 区間は伯備線新郷(岡山)―伯耆大山(鳥取)山陰線伯耆大山―西出雲(島根)で、2両8編成で運行します。車いすベビーカーの乗客が利用しやすいよう、バリアフリーに対応した多機能トイレ(ドア開閉ランプを設置した新幹線モデル)を設置しました。扉付近の混雑を解消して乗降をスムーズにするため、ドア付近のスペースを広く取っています。LED照明自動温度調節による空調自動換気機能も導入されています。日常利用者にとっては大きな改善となりました。ドアの上部には、LED式の情報表示装置を設置し、2カ国語での案内に対応しました。また、この装置の横には車内犯罪防止対策として、近年社会的に需要の高まっている車内防犯カメラを千鳥配置して、車内セキュリティ向上も図っています。立ったお客さんがつかまる吊り手・手すりは握りやすい形状として、色調は目立ちやすいオレンジ色です。吊り手の髙さは設置箇所に応じて3段階(1800mm、1700mm、1624mm)と、実に細かな配慮が行き届いています。自分で出したゴミは自分で持ち帰るという意識の徹底のために(放送でも案内していました)、車内にはゴミ箱は設置されていません(他の山陰線の普通列車にはゴミ箱が設置されています)。車内放送も全て流暢な英語で流れます。今までは山陰線では英語の放送案内はなかっただけに便利になりました。❤❤❤

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