青春出版社から『教科書どおりなのにネイティブが言わない ヘンな英語表現』(キャサリン・A・クラフト/著、里中哲彦/編訳)が発売されました。文法的には正しいけれども、実際の英語圏ではほとんど使われない表現を取り上げ、より自然な英語への言い換えを紹介する実用書です。日本人学習者が陥りやすい「教科書英語」と「生きた英語」のギャップを埋めることを目的としており、500の厳選フレーズが収録されています。私はすぐに今井書店に買い求めに行きました。一冊だけありました。著者のキャサリン・A・クラフト先生は、アメリカ・ミシガン州で生まれ、オハイオ州で育ちました。ボーリング・グリーン州立大卒。南山大学の交換留学生として来日され、現在、日本児童英語振興協会(JAPEC)会長。元名古屋市立大学(NCU)講師。オンラインマガジン『ET PEOPLE!』(http://www.et-people.com/)を発行するかたわら、通訳、翻訳家としても活躍しておられます。また、コラムニストとして『NHKラジオ英会話』で長期にわたって連載記事を執筆。おもな著書に『日本人が言えそうで言えない英語表現650』『ネイティブにスッと伝わる英語表現の言い換え700』『簡単なのに日本人には出てこない英語フレーズ600』(いずれも青春出版社刊)、『形容詞がわかれば英語がわかる』(ちくま新書)、『日本人が思いつかない3語で言える英語表現186』(SB新書)などがあります。著者は長年日本で英語教育に携わってこられたため、日本人がどこで不自然な英語を作ってしまうのかをよく理解しておられます。過去の著作でも一貫して「学校英語から自然な英語へ」というテーマを扱っておられ、「文法のミスの訂正」ではなく、「ネイティブならそうは言わない」というレベルの違和感を扱った本です。私はこの先生の本は全て買って読んでいます。現代英語の実情を知るには格好の手引き書なんです。本書最大のテーマは「日本の教科書で習うお決まりのフレーズが、実際のネイティブの耳にどう響いているのか?」のズレを解消することです。私たちが学校や試験対策で懸命に暗記した表現が、ネイティブスピーカーにとっては「冷たく聞こえる」「大げさすぎる」「古くさい」「上から目線に感じる」といった思わぬ誤解を生むリスクをはらんでいることを、ユーモラスに指摘しています。
ここで取り上げられた例としては、

「いま何時ですか? → What time is it now?」
「(元気ですか?とたずねられて)元気です。ありがとう → I’m fine, thank you.」
「趣味は何? → What’s your hobby?」
「いくらですか? → How much?」
「カードで支払えますか? → Can I pay by my credit card?」
などと言ったりしていないでしょうか? 教科書どおりの正しいフレーズのようで、ネイティブはひそかに苦笑していたり、イラッとしていたり、意味不明であったり…。「なぜその表現だと不自然なのか?」というネイティブの心理や文化的背景まで踏み込んで解説しています。
本書は、いつもの挨拶から日常会話、お店での注文、ホテルでのやりとりまで、日本人がよく使うけれど、ネイティブは決して言わない英語表現を集め、同じシーンでネイティブが日常的に使う代替500フレーズを紹介した一冊です。非常に勉強になります。

本書の構成は次のようになっています。レイアウトは、「教科書風の表現」→「ネイティブの受け止め方」→「より自然なOK表現」という構成でパターン化されているので、スッキリとテンポよくよむことができます。




