データの大切さ

 センター試験時代、私はリーディングの第1問で出題されていた発音・アクセント問題の対策を練るために、それまでに出題された単語の全一覧を作りました。すると同じ単語が何度も繰り返し出題されていることが分かりました。それらは全て生徒たちがうっかり間違って発音しがちな単語ばかりでした。そこで過去に出題された全ての語を一覧表にして、自費で印刷屋さんにお願いしてカラー印刷をして配付し、これを教室で生徒達と一緒に音読することに時間を使いました(この一覧表は全国の先生方から「欲しい」と要望が殺到しました)。これによって、次年度に何が出題されるかを予測できるようになり、的中率抜群の資料となりました。やはりデータは嘘をつきません。

 文法・語法問題第2問でも、過去に出題された事項を全て分析して整理してみると、どこに重点が置かれて問題が作られているのかがハッキリと見えてきます。おのずから対策も明らかになってきます。文法項目別の「対策プリント」が出来上がりました。このようにデータを詳細に分析して、次に繋げるということがいかに大切かということを、英語の指導でも痛感しています。

 私の大好きなプロ野球でも同じ事が言えると思っています。3試合連続で雨天中止となって迎えた6月28日の横浜戦のキャベッジ選手を取り上げます。両軍無得点で迎えた2回1死一、三塁、フルカウントから石田裕の外角低め147キロの直球を引っ張り、鋭い打球で一、二塁間を破りました。なんと6月5日のロッテ戦(東京D)以来、出場12戦ぶりの打点となる先制点をもたらして、「打てたことを神に感謝するよ」と喜びを爆発させました。これで長い絶不調のトンネルから抜け出しました。4回1死の第2打席、6回2死の第3打席でもいずれも左中間へ痛烈な二塁打を放ち、4月26日のDeNA戦(横浜)以来63日ぶり、今季3度目の猛打賞をマークしています。「純粋にうれしいし、これからも継続したいです」と振り返りました。

 彼は今月は9試合、27打席連続無安打と苦しんだ時期もあり、6月の月間打率は試合前までで1割1分6厘と絶不調に陥っていました。クルクルとボール球を振り回しては三振の山を築いていました。三振数86個はチーム同僚のダルベックと並んで12球団随一の「三振王」です。あの低いボール球を見極めることさえできればなあ…と思いながら応援をしていました。それでも彼は下は向かずに、「良い時と良くない時の状態を見比べて、いろいろ考えて取り組んでいます」「試合が中止になった日こそ、集中していい準備をすることが大切」と必死で防球ネットを揺らし続けました。

◎ここに驚くべきデータが!!

 実は、ここに驚くべきデータがあります。キャベッジ選手は、昨季から、雨天中止の次戦は6試合で21打数9安打、なんと打率4割2分9厘、1本塁打、5打点とめっぽう強いのです。4月10日のヤクルト戦(東京D)では右翼バルコニー席へ飛距離129メートルの特大弾を放っていました。雨はキャベッジ選手にとって「快音予報」というデータがあるのです。やはり今回もその通りになりました。米国のルーキー時代の2015年、フロリダが本拠地のツインズ傘下で彼はプレーしました。フロリダは6~9月まで雨期が続く多雨地帯としても知られています。「夕方の5時半ぐらいから雨が降り始める。ハリケーンで試合がなくなったこともあります」と回想します。こうして3試合連続中止は、たくましい助っ人にとってはアクシデントにも入らないのです。

 「問題なくプレーできました。こういう日もいつもと変わらずプレーすることが大事だと思います」。自然と気が引き締まり、高い集中力を発揮しました。梅雨の気まぐれで24、26、27日と3試合続けて試合が雨で流れていましたが、得意とする仕切り直しの試合で、またも勝負強さを見せつけた格好です。自身の映像を何度も見直して、バランスを調整し、「軸足に重心を残して、センター返しすることを意識して」復活を印象づける3安打の猛打賞。おなじみの“弓矢ポーズ”とともに見せた笑顔には、揺るぎない自信がよみがえっていました。やはり今回もデータは裏切りませんでした。♥♥♥

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