pile/ heap/ stack

 授業でpile(山)が出てきた時には、類義語のheapstackも一緒に覚えてしまうように指導しています。pile, heap, stackの意味の違いは、単語集や辞典には次のように出ています。

pile 山のように積み重なった状態 
heap (雑然と)積み重なった状態
stack (整理されて)積み重なった状態  竹岡広信『必携英単語LEAP』

pile (同種類のものをきちんと山積みにした)積み重ね
heap (多少乱雑に高くこんもりと積み上げた)積み重ね
stack (同じ大きさ・形のものをきちんと山積みした)積み重ね 『ライトハウス英和』

pile 物が山積みになっている状態をいう
heap pileよりも乱雑に積まれている状態をいう
stack pileよりも整然と積まれている状態をいう 『ジーニアス英和』   

 上のような説明はそれで正しいのでしょうが、イマイチイメージが湧きません。こんな時には、イラスト写真の提示が有効です。例えば、次のようなイラストで示せば、頭の中にス-ッと入ってきます。


 PILE は、物が無造作に積み上げられた、一般的な「山」を指します。形は決まっておらず、崩れやすそうに見えます。素材や大きさはバラバラでも構いません。単に「そこにある」というニュアンスです。このイラストでは、洗濯物、おもちゃ、木の葉、そして洗濯物を抱える女性が描かれています。洗濯物はカゴからはみ出し、床にも無造作に置かれています。これが「PILE」のイメージです。

 HEAP は、PILE よりもさらに大きく、特に自然物や原材料が大量に、そして「円錐形(えんすいけい)」に積み上がった状態を指します。非常に大きく、高さがあります。土石、石炭、砂利、農作物、ゴミなど、均一な素材が自然に崩れながら積もったような形(円錐形)をしています。「塊」や「山」というよりも、「堆積(たいせき)」に近いニュアンスです。このイラストでは、石炭、砂利、そして金属スクラップの巨大な山が描かれています。ショベルカーが砂利をすくっている様子からも、その規模の大きさと、自然に崩れるような形(円錐形)が分かりますね。これがHEAPのイメージです。

 STACK は、物が意図的に、そして「整理されて」垂直に積み上げられた状態を指します。物は同じ種類、あるいは同じ形で、きれいに揃っています。安定しており、意図的に積み上げられたことが分かります。「棚に並べる」のと同じように、整理整頓のニュアンスが強いです。上のイラストでは、本棚、書類、ダンボール、そして皿が描かれています。特に本や皿は、同じ種類のものが垂直に、きれいに積み重なっています。男性が本を慎重に積んでいる様子からも、その「整理された」ニュアンスが分かります。これがSTACKのイメージです。まとめると、

◎PILE:無造作な山(洗濯物、おもちゃ)

◎HEAP:巨大で円錐形の堆積物(石炭、砂利、ゴミ)

◎STACK:整理された垂直な積み重ね(本、皿、ダンボール)

このように、物の積み上げられ方や整理の度合いによって、これらの単語を使い分けることができます。私は生徒たちに、pile衣類の山 heapがれき stackトランプの山、書類の山 を例に挙げて説明しています。♥♥♥

  ▲pile                                            ▲heap                                           ▲stack

 辞典におけるイラスト・写真(視覚的要素)の最大の効用は、言語情報だけでは伝わりにくい対象を視覚化して、理解・識別・記憶を助けることにあります。さらには、学習意欲を高めたり、歴史的・文化的資料として機能したりする点も重要な役割です。辞典の編集者としてまとめてみると、文字と組み合わさることで「理解の解像度を極限まで高める」ための不可欠なツールです。

①言葉だけでは伝わりにくい情報を補う・・・辞典は言葉で説明する媒体ですが、対象によっては文章だけでは理解しにくいものがあります。言語化が難しい情報をイラストや写真を見ることで瞬時にイメージをつかめ、特徴をすぐに理解することができます。例:動植物の形態 建築物の外観 複雑な機械や道具の構造

②抽象的な概念理解を助ける・・・図解によるイラストは、複雑な仕組みや関係を整理して示すことができ、全体像が把握しやすくなります。一目で関係性を示すことができます。例:人体の構造 太陽系の配置 多義語のニュアンスの違い

③正確な識別を可能にする・・・特に生物や物品の項目では、見分けるための情報として写真が重要な役割を果たします。例:昆虫の種類 鉱物の特徴 美術品・伝統工芸品

④記憶に残りやすくなる・・・視覚情報は記憶に定着しやすいので、言葉と画像を組み合わせることで、理解が深まり、後で思い出しやすくなり、学習効果が高まる効果があります(画像優位性効果)。

⑤読者の興味・関心を喚起する・・・写真やイラストは読者の注意を引きつけ、ページを開く楽しさを高めたり、調べ学習への意欲を促したり、関心を広げたりする役割があります。「偶然の出会い」(セレンディピティ)による学習効果も生まれます。

⑥歴史資料や文化資料としての価値・・・写真そのものが資料になる場合があります。例:歴史的人物の肖像 ポンペイの遺跡の発掘写真 歴史的事件の記録写真

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