グランドイリュージョン:ダイヤモンドミッション

 「ユメタウン出雲」内のtジョイ出雲にシリーズ第3弾(5月8日全国公開)となる「グランドイリュージョン ダイヤモンドミッション」(原題 Now You See Me: Now You Don’t)を観に行ってきました(シニア割引で1,300円)。松江イオンも日吉津イオンでも上映していないので、出雲までわざわざ出かけてきたんです。イリュージョン(大がかりなマジック)を駆使して不正や犯罪で私腹を肥やした富裕層の悪を暴き、金品を奪い、世間に還元する正義のスーパーイリュージョニスト集団「フォー・ホースメン」。前作から約10年ぶりに再集結した彼らの任務は、ダイヤモンドビジネスで武器商人や犯罪者の資金洗浄などに手を染めるバンダーバーグ社所有の史上最高価値の大きなダイヤを盗み、一族の腐敗を暴くことでした。全世界を舞台に(ニューヨーク・南アフリカ・アントワープ・フランス・アブダビ)、新世代のマジシャン3人を加え、世界を股にかけた大胆な強奪劇が繰り広げられます。度肝を抜くマジックと小気味よい台詞が売りの、痛快な犯罪エンターテインメント作品です。マジックと犯罪映画の融合、「どうやった?」と思わせるトリック、観客まで騙すドンデン返し、スタイリッシュな映像とテンポなどがこのシリーズの魅力です。単なるアクション映画ではなく、「謎解き」と「騙し合い」を楽しむ作品です。前作以上にスケールアップしたマジックと、二転三転する予測不可能なストーリーが魅力でした。

 本作の原題は、1作目(2013年)&2作目(2016年)のタイトル“Now You See Me”に、“Now You Don’t”が加わりました。マジシャンが使う定番の決まり文句「ほら、見えますね。さあ、消えました」です。観客の視線を引きつけ、一瞬で状況を一変させるマジックの醍醐味を表しています。見せかけのイリュージョンやミスディレクションを象徴するタイトルです。でもこれをそのまま邦題にしてもお客さんは呼べません。その点「グランドイリュージョン/ダイヤモンドミッション」はさすがです!ロビーに置かれた立て看板には、プロモーションに協力している日本のマジック会社「テンヨー」が企画デザインした写真スポット「誰でもマジシャン!?トリックフォトスポット」がありました(写真下)。

▲誰でもマジシャン!?トリックフォトスポット

 映画冒頭でマジシャンの一人が、こう切り出したのが印象的でした。“In the world of magic, everything that disappears, reappears. Well, at least if the trick is done right.”(マジックの世界では、消えたものは再び現れる。トリックがうまくいけばの話だが)。10年ぶりのフォーホースメンが復活のマジックショー満員の会場で自己紹介後、暗号通貨の悪徳企業家から資産を奪い参加者に分配。しかしそれこそがイリュージョンで偽物でした。実行した新星マジシャンのチャーリー、ボスコ、ジューンの3人組はアジトへ戻ると本物のダニエルと遭遇。ダニエル(ジェシー・アンゼンバーグ)は組織アイからカードを受取り、新3人と共に南アフリカの悪徳ダイヤ企業家ヴェロニカ・ヴァンダーバーグ(ロザムンド・パイク)からハートダイヤモンドを盗むミッションへと向かいます。アイに指令されたメリット、ジャック、ヘンリーも合流し見事に強奪。4つのカードからフランス古城ルシヨン城(部屋ごとにさまざまな仕掛けが)に導かれ、伝説のマジシャンのサディアス(モーガン・フリーマン)とも再会。古城ではヴァンダーバーグ家がナチス残党の資金洗浄していた事実が明るみに。そこへ警官隊が突入し、メリットは捕まり、サディアスは流れ弾で死亡してしまいます。

 逃げのびたダニエルたちに元フォーホースメンのルーラも合流。ヴェロニカはメリットとハートダイヤの交換を要求。無事にメリットは奪還しますが、ヴェロニカの策でハートダイヤを奪われたファイブ・ホースメンと思いきや、ヴェロニカに射殺されたチャーリーは起き上がり、まさにイリュージョンでした。そしてその場所自体がマジック会場で満席の客。チャーリーの正体は、ヴェロニカの父の不倫相手の子。チャーリーは母を殺害したヴェロニカに復讐しハートダイヤを観客と南アフリカに分配。ファイブ・ホースメン集結のカードもアイではなくチャーリーが送ったものでした。ファイブ・ホースメンと新星3人組はチャーリーの見事な手腕を祝います。そのアジトに、ロシア投獄中のディラン(マーク・ラファロ)から新星アイ結成の申し出が送られてきます。マジックの本質である驚きをラストまで見せてくれ一安心。出番の少なかったチャーリーがまさかのヴェロニカの義弟!そしてファイブ・ホースメンを集結させて操ったのはThe Eye/アイではなく全てチャーリーが仕組んだこととは!

 最終シーンに、飲み会パーティーでの仕掛けも忘れていないのが「グランド・イリュージョン」らしいところです。投獄されているはずのディラン(マーク・ラファロ)の再登場で、エイト・ホースメンによる続編も保証されたのかもしれません。

 これまでの第1弾、第2弾の映画を経て、今回の最新作に対して、超魔術のMr.マリックさんは、「よりマジシャンらしい、リアルなマジックが数多く出てきた」と太鼓判を押しました。 「今までは映画用に不思議なことをタレントにやらせて、『そんなことできるはずないだろう』という映画用のマジックだったのが、よりリアルになりました。トランプを体の周りでギュッと飛ばしたりするような、我々が普段ショーで実際にやっているものを役者にやらせているところが、同じ同業者としてものすごくリアルだったわけです」  俳優陣が実際にマジックを習得して撮影した背景には、実際に超一流のマジシャンたちのサポートがあったことが、映画のエンドロールに出てくるスタッフ一覧を見ると分かります。「アメリカの『マジックキャッスル』という、最先端の人たちが集まったサークルが全面協力しているんですよ。今、CGとかAIとか言われているものを払拭できるように、超一流が裏で協力していたことにびっくりしましたね」と舌を巻きました。第1・2弾では世界的イリュージョニストのデビッド・カッパーフィルドが監修し、大掛かりなショーが展開されましたが、今作では身近にあるマジックがたくさん出てきました。「日常、普通にマジシャンができるものをやらせているからリアルですよね。マジックをやっている人はたまらないと思いますよ」と興奮気味に語りました。役者たちもすっかりマジシャンになりきっていました。ホースメンのメンバーがリレーのように次々とマジックを披露するシーンが印象的でした。劇中で起こる不可能に見える現象も、後半で「どうやってやったのか?」が解説され、その緻密な仕掛けに脱帽です。

 本作は自他共に認めるマジック・オタクのルーベン・フライシャー監督がメガホンを取り、アメリカマジシャンたちの聖地「マジックキャッスル」の世界的イリュージョニストチームがマジック監修として参加しています。「本職のマジシャンたちも納得する映画にすること」をゴールに、映画界×マジック界の屈指のチームが結集し、徹底的にリアリティにこだわって製作されました。Mr.マリックは「マジックのシーンはワンカットでずっと撮っていて、CGが入るスキがないので、より生で見ている感覚になりました。しかもこの映画はマジックの裏側もみせてくれるので、そこにも驚きました」と語り、劇中で繰り広げられるイリュージョンの数々に太鼓判を押しました。映画館で購入した作品パンフレット(1,000円)には、日本のマジックグッズメーカー「テンヨー」のクリエーター3人の視点で読み解くインタビュー記事が2ページにわたって収録されていて興味深く読みました。♥♥♥

▲購入した作品パンフレット

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