セリアの大型クリップ

▲こうやって喫茶店でブログ記事の校正を

 いつも大量の文書を綴じて持ち歩く私は、最近100均ショップのセリアで買った大型「ダブルクリップ」(3個110円!)を重宝しています(写真下)。以前このブログでも「滅茶苦茶開くのが軽い」と紹介し、お店にあったものを全部まとめ買いをしています。特に注目されているのが、挟み口51mm、3個入り110円(税込)の大型タイプです。コピー用紙なら約230枚も保持できます。今日はなぜ「大きいのに柔らかいのか?」を取り上げます。

 普通の大型ダブルクリップは、たくさんの紙をしっかり挟むために板バネが強く、開くときにかなり指の力が必要になります。大型になればなるほど、この問題が顕著になるのです。ところがセリアのこの商品は、

・クリップそのものは大型

・かなり厚い書類を保持できる

・それなのに開く操作が軽い

・しかも挟む力はしっかりしている

という、従来のダブルクリップとは少し違う使い勝手になっています。つまり「柔らかく止められる」というより、正確には、「開くときの力が軽いのに、閉じたあとはしっかり保持する」のが魅力ですね。これは非常に面白いポイントで、ダブルクリップでは「挟む力」と「開くために必要な力」は別問題だからです。実はこの方向の製品としてはすでに、プラスの「エアかる」が先行しており、テコの原理を利用した新しい機構によって、従来品より軽い力で開けられるようにしています。そして面白いことに、セリアにも大型で「軽く開ける」タイプが登場しているわけです。以前の「大きなダブルクリップ=硬くて指が痛い」という常識からすると、かなり進化しています。特に、厚いプリント・原稿・楽譜・本などをまとめる用途では、この「大きいのに軽く開く」という性質が非常に便利です。なお、セリアの商品は店舗によって品ぞろえが違うので、「大型・51mm・3個入り・淡いグレー系」の商品を探すと見つけやすいと思います。

 比較してみると、セリアの大型ダブルクリップは、かなり面白い存在です。特に「大きいのに軽く開く」という点では、以前発売されたプラスの「エアかる」(⇒私の紹介記事はコチラ)と同じ方向を狙った商品と言えます。

◆セリア vs. プラス「エアかる」

セリア大型 PLUS エアかる
クリップ幅 51mm 51mm(超特大)
とじ枚数 約230枚と紹介 約200枚
入数 3個 10個(箱)
価格 110円(税込) 1,705円(税込)※10個
1個あたり 約37円 約171円
開きやすさ 非常に軽いとの使用報告 従来品比約35%軽減
色 淡いグレーなど ブラック
機構 詳細なメーカー資料は確認できず てこの原理を利用した独自機構

セリアについては、実際に使用したレビューで「51mmなのに、黒い通常のダブルクリップよりはるかに軽く開く」と報告されています。保持枚数はコピー用紙約230枚とのことです。一方、プラスの「エアかる」は、単にバネを弱くした商品ではありません。本体の突起を支点として利用し、レバーを長くすることで、てこの原理によって開く力を軽減しています。大型の51mmタイプでは、通常品より開く力を約35%カットしています。

 普通のダブルクリップは、「強く挟む」=「開くときも硬い」という宿命があります。ところが「エアかる」は、保持力はできるだけ維持 → 開くときだけ軽くするという発想です。プラス自身も「挟む力はそのままに開く力をカット」と説明しています。そしてセリアの商品も、少なくとも使用感としてはこの方向にかなり近いのです。つまり、100円ショップの商品が、従来のダブルクリップの最大の弱点だった「開くときの硬さ」をかなり改善しているわけです。ただし、両者は同じ商品ではありません。ここは注意が必要です。セリアの商品については、現時点で確認できる情報では、「エアかる」と同じ機構を採用しているとは確認できません。セリア側は「従来品より軽い力で開きやすい」と宣伝しているものの、プラスのような詳細な機構説明や開く力の削減率は公表されていません。

 したがって、セリア=エアかるの100均版と断定するのは早計です。むしろ現段階では、「セリアにも、エアかると同じく“大型なのに軽く開ける”という非常に使いやすい大型ダブルクリップが登場した」と考えるのが適切でしょう。そして何よりも価格差がすごいです。51mm・3個110円なら、1個約37円。対して「エアかる」51mmは10個入り1,705円(税抜)なので、1個171円。ですから、日常的に大量の書類をまとめるだけなら、セリア品は非常にコストパフォーマンスにすぐれた選択肢です。ちなみに、セリアとよく比較されるダイソーにも51mm・3個110円の大型ダブルクリップがあります。ただし、これは通常型で、セリアの「軽く開く」タイプとは比べ物にならないくらい強い力が必要です。

 「なぜセリアの51mmは230枚も挟めるのに、あんなに軽く開けるのか?」――バネ・支点・レバーの構造を理解することで分かります。ここはダブルクリップの「からくり」を知ると、かなり納得できます。

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1.普通のダブルクリップは「強く挟むほど、開けるのも重い」

 ダブルクリップは基本的に、黒い金属部分そのものが板バネになっています。簡単に模式化すると、握る → 金属板が変形する → 口が開くという構造です。そして紙を挟んで手を離すと、変形した金属板が元に戻ろうとする力によって、紙を強く押さえます。つまり、紙を強く保持する力 ≒ バネが元に戻ろうとする力です。ところが、この強いバネを直接指で押して開こうとすると、当然ながら指にも大きな力が必要になるのです。

2.そこで「てこ」を利用する

 「エアかる」の特徴はここです。普通のダブルクリップでは、指でレバーを押したときの力が、そのままバネを変形させる方向に近い形で働きます。ところがエアかるでは、レバーと本体の関係を工夫して、

指で加えた小さな力
↓
てこの作用
↓
バネを大きく動かす

という構造にしています。支点から指で力を加える位置までを長くすることで、少ない力でもバネを変形させられます。

3.だから「挟む力」と「開く力」を両立できる

 ここが一番重要です。「軽く開く」と聞くと、「じゃあバネを弱くしているのでは?」と思いますよね。しかし、それでは紙をしっかり保持できません。エアかるの発想はそうではなく、バネの強さを単純に弱くするのではなく、力の伝え方を変えるというものです。そのため、

閉じているとき
→ 強い力で紙を保持

開くとき
→ てこの作用で小さな力でレバーを操作

という、一見矛盾する二つの性能を両立できます。

4.では、セリアの商品はどうなのか?

 ここが面白いところです。セリアの大型51mmタイプについて、公開されている情報だけでは、プラス「エアかる」と全く同じ機構なのかは確認できません。しかし、実際の使用感として、「大型なのに、従来の大型ダブルクリップより驚くほど軽く開く」という点が評価されています。つまり、セリアの商品も何らかの形で、「大型=指が痛くなるほど硬い」という従来の問題を解消する方向に設計されていると考えられます。

5.実は「大型化」すると問題が大きくなる

 51mmクラスになると、普通のダブルクリップよりもはるかに多くの紙を挟めます。しかし、

挟む力を強くする
↓
バネを強くする
↓
開くのが硬くなる
↓
指が痛くなる

という問題が出てきます。特に厚い書類を毎日のようにまとめる人にとっては、これは結構なストレスです。だから、「たくさん挟める」+「軽く開く」という大型クリップは、単なる100円ショップの文具という以上に、かなり合理的な設計なんです。

6.セリア品が特に面白い理由

 そしてセリアの場合、51mm・3個で110円という価格です。1個あたり約37円ですから、「大型ダブルクリップは高価で、しかも硬い」という従来のイメージをかなり覆しています。一方、プラスの「エアかる」は、軽く開けること自体を商品の大きな特徴として、専用の機構を開発した製品です。ですから両者を並べると、

●PLUS
→ 「軽く開く」という問題を本格的に解決した専用設計

●セリア
→ 低価格ながら「大型なのに軽く開く」という使用感を実現した商品

という違いがあります。そして、もしセリア品を実際に触ってみて「これは本当に軽い」と感じられたのであれば、その感覚はかなり理にかなっています。「挟む力が弱いから軽い」のではなく、「開く操作を軽くする工夫」が効いている可能性が高いからです。なお、セリア品についてはメーカーが内部構造や開閉力の数値を詳しく公開しているわけではないので、「この機構だから軽い」とまでは現時点では断定することはできません。

 セリアでは小型のミニクリップもおしゃれな色で大量に入っています。私は気に入って使っています。この100均ショップには高いデザイン性のものがたくさんころがっていて、私は注目しています。❤❤❤

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