passive aggressive

 passive aggressive(パッシブ・アグレッシブ、受動攻撃的な)とは、直接的に怒りや不満を表さずに、遠回し・皮肉・消極的な態度で相手に不快感や反発を示すことを意味します。攻撃的といっても、怒鳴ったり暴力的だったりするわけではなく、直接言わないことで相手を困らせたり、圧をかけたりするタイプの攻撃性です。1940年代の心理学で使われ始め、現在は一般語として広く普及しています。『ジーニアス英和辞典』(6版)には次のようにあります。

受動的攻撃性の《反抗や怒りを直接的には表さず、するべきことを先延ばしにしたりふくれたりなどする》

 『リーダーズプラス』(研究社)には次のようにあります。

passive-aggressive personality 《精神医》受動的な攻撃性人格[性格]《ふくれる、強情を張る、引き延ばすなど受け身の形をとっても攻撃性を示す》

 しかし、これではイマイチよく分かりませんね。これは直接的に相手を攻撃するのではなく、間接的、受動的な方法で相手を攻撃したり、不満を表したりする行動のことを指します。表では従順そうに見えながら、内側では怒りや反発を間接的に示す態度です(例:「別に怒ってないよ」と言いながら、明らかに不機嫌な態度を取る)。感情を率直に表現せず、遠回しな言葉や態度で不満を伝える、返答すべきことで無視をする、会合などにわざと遅れる、重要な情報を隠す、頼まれた仕事を忘れたふりで放置する、などです(cf. 大島さくら子・スティーブ・バーンスタイン『知的な英語ネイティブが日常会話で使う表現』(クロスメディア・ランゲージ、2025年))。真っ向から「それは嫌だ!」「怒っている!」とは言わず、表面的には協力的に見える(あるいは無害を装う)けれども、裏側には攻撃性が隠れているのが特徴です。

 日本語では文脈によって、次のような訳語が考えられるでしょう。

  • 「消極的攻撃的」

  • 「遠回しに嫌味を言う態度」

  • 「表面上は穏やかだが内心は敵対的」

具体的な特徴としては、次のようなものが含まれるでしょう。

  • 表向きは丁寧・冷静

  • しかし言葉や行動に皮肉・嫌味・無言の抵抗が含まれる→例:皮肉っぽい褒め言葉を言う。

  • はっきり文句を言わないため、受け手がモヤっとする

 つまり、直接「怒っている」「嫌だ」と言わずに、「皮肉」「無視」「嫌み」「わざと遅らせる」「曖昧な返事で相手を困らせる」などの形で不満を示す行動です。日常会話でもよく使われる言葉で、心理学用語としても一般的です。実際の使用例を見ておきましょう。

① 職場で

“Sure, I’ll do it… like always.”
(いいですよ、やりますよ…いつも通りね)→ 表面上は了承しているが、不満がにじんでいる→ passive aggressive な言い方

Stop being so passive-aggressive.(そんなに受動攻撃的な態度を取らないで)


② 約束に遅れた相手に

“Wow, you’re right on time.”(わあ、ぴったり時間通りだね) ※実際は遅刻している
→ 皮肉なので passive aggressive


③ 態度を表す時

He’s not openly rude, but his comments are passive aggressive.(彼は露骨に失礼ではないけど、発言が嫌味っぽい)

That message sounded a bit passive-aggressive.(そのメッセージ、ちょっとパッシブアグレッシブに聞こえた)

 似ているけれども違う表現があります。sarcastic(皮肉っぽい=攻撃性が直接的)、hostile(敵意がある=はっきり攻撃的)、indirect(間接的=攻撃性は含まない)♥♥♥ 

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