April Fools’ Day ?

 10月22日のブログで、辞典の「試し語」の話(「初夜」)をしましたね。最近私が使っている英和・和英辞典の「試し語」は、表題の「四月バカ」です。調べてもらえばわかりますが、圧倒的にApril Fools’ Dayと出ています。これを[A型]としておきましょう。ところが英米の新聞や百科事典を見ると、[B型]April Fool’s Dayがよく使われているのです。

◎新和英中辞典 和英大辞典(研究社)  April Fools’ Day
◎ルミナス和英辞典(研究社)      April Fools’ Day
◎オーレックス和英辞典(旺文社)   April[All] Fools’ Day
◎ライトハウス和英辞典(研究社)   April Fools’ Day
◎アドバンスドフェイバリット和英辞典(東京書籍) April Fools’ Day
◎グランドセンチュリー和英辞典(三省堂) 英和大辞典(研究社)April Fools'[Fool’s] Day
◎ジーニアス和英辞典(大修館) フェイバリット英和辞典(東京書籍) April Fool’s[Fools’] Day

  私たちの編集顧問イルソン博士に調べてもらったところでも、イギリスでは両型が見られるとのことでした。アメリカ辞典界の老舗メリアム・ウェブスター社のミッシュ編集長(当時)によれば、同社の用例ファイルでは、[A 型][B型]の比率は3:1だということでした(ただし用例が少々古いので現代英語を反映しているかどうかは疑問だと断っていらっしゃいましたが)。1987年に八幡がアメリカの4月1日付けの新聞12紙を調べたところでは、逆に2:3で[B型]の方が多かったんです。私たちの編集顧問故ボリンジャー博士ご自身の好みも[B型]だということでした。で博士は、地元新聞(Palo Alto)の編集者たちに聞いてくださったんですが、やはり同様の結果が得られました。句読法の研究で知られるCharles F. Meyer教授(マサチューセッツ大学)にご協力をいただいて、先生のクラスの学生の反応を調査してもらいました。[B型]を好む者13名、[A型]を好む者が8名、ということでした。

 この件については、あまり英米の辞書は役に立たないのですが、最新のOxford American Dictionary (2nd ed. 2011)では、見出しがApril Fool’s Dayとなっていました。グーグルで検索してみても、やはり[B型]の方が[A型]よりも若干優勢となっています。このような実態を受けて、『ライトハウス英和辞典』最新版(第6版)の記述をご覧下さい。

 現在優勢なはずのApril Fool’s Dayという綴りが、英和・和英辞典からすっぽりと抜け落ちているのは一体どうしたわけなんでしょうか?

*さらに詳しくは八幡成人  「語法ノートApril Fool’s Day」  Lexicon, No.17(1988)(岩崎研究会)を参照。

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