「準備をする」という成句を、「get ready/ make readyでも両方可」としている英和辞典が数多く見られます。makeの方が<公式的>としているものもありました。私たちの『ライトハウス英和辞典』(第6版)だけは、チョット他の辞典と違っていて、「make readyは重要な準備をするときに用いることが多い」と、意味の違いにまで踏み込んだ記述をしています。今日は、この注記の裏話をしますね。
故ボリンジャー博士は、この両者の意味の違いには「基底構造」が関係している、ということを指摘されました。すなわち、make readyはmake things readyという他動詞の構造から来ている。一方、get readyはget oneself readyの再帰構造から来ているので、行為者の意思に関わる準備の事を指すことになるのだ、というのです。用例で確認しておきましょう。
Get ready ―put your clothes on.
Make ready ―issue the necessary orders.
LDOCE旧版にも、We’d better get ready to leave./ (fml)They made ready for the attack.という用例が挙がっていました。getのほうは自分で自分の荷物をまとめて準備をするという感じ、makeのほうは砦などを建てて攻撃に備えるという感じでしょうか。
不定詞が後続する場合は、get ready to Vのほうが?make ready to Vよりもはるかに普通の用法、というイルソン博士の容認度に関する指摘も、心に留めておきたいですね。辞典には何気なく書いてあるget/make readyにも、こんな微妙な問題が観察できることがお分かりいただけたでしょうか。こういう地道な考察を踏まえて、辞典の注記が出来上がっていくのです。たった1行の注記にも、これだけの作業・考察が隠れているということですね。

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