ユーモアの精神

 授業の中で、一度くらいは笑う場面があっていいと思い、できるだけ面白く話をするようにしていますが、昔の政治家で傑作を発した人がいます。この話は川北義則さんの本で読みました。三木武吉(みきぶきち)という戦前・戦後で「ヤジ将軍」「政界の大狸」と異名をとった人物です。彼は演説会でライバル候補から、「某候補は家賃を二年も払っていない、米屋にも一年、米代を払っていない」と攻撃されたのに対して、「某候補というのは自分だが、発言した候補者は大きな間違いをしている。家賃を払っていないのは三年で、米代を払っていないのも二年だ!」と発言して、逆に聴衆の拍手喝采と爆笑を得た、と言います。さらに会場にいた当の大家さんと米屋さんを壇上に上げると、彼らは三木への支援を約束したというのですから大したものです。「妾(めかけ)が三人もいる」と、対立候補から攻撃された時には、「事実は三人ではなく五人である。数も数えられないような人間に政治は任せられない」と反撃をしたと言います。まあチョット今では考えられないような話ですね。

 メジャーリーグのボストン・レッドソックスがワールドシリーズを制した時、メンバーたちがホワイト・ハウスのジョージ・ブッシュ大統領を表敬訪問したことがあります。当時、ブッシュ大統領は、当時知性や知識、語彙の貧困さなどを槍玉に挙げられ、ずいぶんメディアに叩かれていました。そこらへんの珍語録は『ブッシュ妄言録』(二見文庫、2006年)にふんだんに例が挙がっていますからご覧ください。メジャー制覇に大きく貢献した松坂大輔投手を紹介するスピーチの際に、ブッシュ大統領は「英語で苦労しているという点では、私も大輔と同様だ」とコメントして、大爆笑を買っていました。

 ALTと毎日英語で話していて、とっさの応答で「あー、うまいなあ」と感心することがたびたびあります。ユーモアのセンスを身につければ、毎日の生活がずいぶんと楽しいものになるはずなんですが。そうそう、近く行われるALTジェーン先生の送別会では、日本の面白いジョークを英語で各自が発表することになっています。楽しみですね。

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