「彼方」

 今、小田和正(67歳)さんは、3年2か月ぶりの新作アルバム『小田日和』(おだびより)を引っ提げて全国ツアーの真っ最中です(全8会場36公演)。小田和正3このアルバムは、7月14日付オリコン週間アルバムランキングで3位に初登場。66歳10ヵ月でのトップ10入りを果たし、日本人最年長記録を樹立しています(1位が取れないのが残念!)。コンサート会場内に設置された「花道」を駆け巡り、客席にも下りて観客にマイクを向け、歌を委ねます。なじみ深いヒット曲や代表作では、穏やかではありますが、観客の歌声が場内にこだまします。小田さんのライブで、「走る」ことが話題になり始めたのは2000年代に入った頃でしょうか。「少しでも客席の近くに行きたい」というご本人の希望で、客席に設置された花道をさっそうと駆け抜けます。もう67歳(!)ですが、このために、毎週ジム通いをしながら体を鍛えておられます。最近の東京体育館でのライブのレポートが、『毎日新聞』夕刊7月24日、『朝日新聞』夕刊7月28日に掲載されました(取り寄せて読みました)。残念ながら、今回のツアーは、中国地方はパスなんです。

 今回のアルバムの中で、私が一番気に入っている曲は、「彼方」(かなた)です。2013年のお正月に、日本中央競馬会(JRA)のCMソング「エマズウィッシュ物語」として流れたものですが、当時はまだタイトルがついていませんでした。「エマズウィッシュ」と名づけられたある牝馬が、多くの人々の夢と期待を背負って成長し、馬場を疾走する姿、そしてその生涯を描いています。その後「かなた」と平仮名のタイトルがついたのですが、今回のアルバム収録にあたって「彼方」と漢字表記になりました。「CMで流れているときはタイトルはなかったからさ。「彼方」と「かなた」。漢字とひらがなでだいぶニュアンス違うじゃん。漢字のほうがいいな、とある日思ったんだよな。ひらがなは彼方っぽくない感じがする。」(小田会報 No.284)

 「静」と「動」のコントラストが絶妙の、ジーンとくる歌です。お聞きください。

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