西村京太郎先生エッセイ

 熱狂的な十津川警部物ファンである私は、テレビで放映される十津川警部シリーズは全部DDSCN4077VDに録画しています。にもかかわらず、西村京太郎サスペンス十津川警部シリーズDVDコレクション』(東京ニュース通信社、隔週刊)を全部買っています。最新刊はVol.25「東北新幹線「はやて」殺人事件」です。なぜかというと、これに付いているマガジンに、毎号西村京太郎先生のエッセイが掲載されるからです。作品執筆時のエピソードや裏話が語られます。これがとっても面白いんです。マガジンにはその他作品の足跡、捜査地図、列車のレポートなどが載っています。特製のバインダーに綴じて、「西村京太郎図鑑」が完成します。全50巻ですから、今ちょうど半分まで来たことになります。

DSCN4076 雑誌『一個人』9月号(KKベストセラーズ)には、鉄道好き有名人が選ぶ私の好きな鉄道車両ベスト3」という特集が組まれており、その中に西村京太郎先生が選ぶ寝台特急ベスト3」という記事が出ていました。第1位が「カシオペア」、第2位「トワイライトエクスプレス」、第3位がなんと島根を走っている「サンライズ出雲」、とのことです。サンライズ出雲がお気に入りなのは「朝サンライズ出雲に出雲に着く、というのがいい。列車もすごくシンプルで何もない。豪華な寝台特急もいいけれど、こういう安くて贅沢でない、普通の寝台特急も好きだね」と。私も一度この寝台列車に乗って東京へ行きましたが、全く寝れずに夜通し起きていて、東京に着いたときにはグッタリ、という経験以来、この列車は敬遠しております。そうそう、この雑誌は「のんびり!贅沢!大人の列車旅」という特集で、水戸岡鋭治さんデザインの新感覚列車を完全乗り比べの記事を掲載しており、今話題の「ななつ星」からJR九州の各種観光列車を取り上げており、電車好きには堪らない企画でした。

 最新刊『火の国から愛と憎しみをこめて』(徳間文庫、2014年8月の巻末には、推理小説研究家の山前譲(編)「西村京太郎全著作リスト」がついており、新東京駅殺人事件』(カッパ・ノベルス、2014年6月)で543冊と出ていました。一年に十冊以上の新刊が出ている現在のペースを考えると、一体どこまでこの記録が伸びるのか楽しみですね。編者の山前譲さんは、西村京太郎の事を語らせたら第一人者です。最新刊の『十津川警部捜査行 東海道殺人エクスプレス』(実業之日本社文庫、2014年8月)の巻末に添えられた解説を読むと、そのことがよく分かります。

 この精力的な創作活動の原動力は?と聞かれ、「ものすごく休みたいけど、ものすごく書きたい、っていう気持ちかな」とインタビューに答えておられました。1社当たり月50枚×7カ月。10月には全誌の執筆を終え、11月にすべての出版社の編集担当が湯河原の西村京太郎記念館に集まって会議を開き、翌年3月以降の執筆スケジュールを調整するそうです。そこから冬にかけてが、ネタを仕込んで取材先を決める時期となるとか。出版社は『何百冊記念』だの『何周年パーティー』をエサになかなか辞めさせてくれないの。11月の会議でスケジュールを決められて、ぼくはそれに乗っかるだけだから。(笑)」   出ずっぱりの十津川警部は1970年の第1作以来、ずっと40歳です。相方の亀さんは45歳で止まっています。ここまでくると、さすがに引退させてあげたい、というのが西村先生の本意だそうです。いつぞや朝日の取材に答えて、「十津川警部引退」のイメージに関して、最後の舞台は、十津川のルーツである奈良県十津川村を舞台に、退官前に自身の原点をたどる旅の中で、ミステリーに遭遇するというストーリーで締めたいと思っています。これ以上はその時のお楽しみですけど、いつ書かせてもらえることやら」と答え、タイトルは『警部、ルーツを探る』となるらしい、との報道が流れたことがありました。しかし今日の8月9日(土)付けの『読売新聞』紙上で、内田康夫先生との対談記事が載り、そこで西村先生が「書くのは断念しました」と否定しておられるのが注目されます。

 さて、ここからは苦情です。最近読んだ、上の『新・東京駅殺人事件』といい、そして誰もいなくなる』(文藝春秋、2014年4月)では、「えー、なんで?」といった唐突な展開が目につき、西村先生いったいどうしちゃったんだろう?と、思わず疑問だらけの読後感に見舞われました。理解できない突然の展開には唖然とするばかりでした。おそらくそう思っているのは、私だけではないと思うのですが。

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