人にやってもらいたいことをやる

 昨年の11月に京都を訪問した際に、大感激したことがあります。当日は朝から大雨が降っていました。早朝にホテルから京都駅までタクシーを予約したところ、迎えに来てくれました。ホテルのロビーまで迎えに来てくださった運転手さんが、ホテルの玄関からタクシーのドアの所まで傘をさして案内してくださり、ドアを開けて乗り込ませてくださいました。言葉遣いも丁寧で、接客も最高です。車内でいろいろと京都の貴重なプチ情報をいただきました。京都駅で私が降りる際にも、屋根のあるところまで傘をさして送ってくださいます。これにはビックリしました。今まで全国のいろいろな都市でタクシーを利用しましたが(腹が立つほどつっけんどんな愛想の悪い運転手さんにもいっぱい遭遇しました)、こんな経験は初めてでした。タクシー会社は「MKタクシー」でした(MKタクシーでは、2022年11月1日から迎車料金がかかるようになりました。これまで迎車料金なしで利用できていたので、迎車料金がかかるようになったことを嘆く人もいるようですが、このサービスなら絶対にまた利用したいです)。松江市ではあり得ないことでした。そういえばかつて北海道の札幌市で、午前中貸し切りで札幌観光をしてもらった時の観光タクシーの運転手さんもMKだったな、と思い出しました。この時の運転手さんもとても親切で、いろいろな気遣い、心配りをしていただき、忘れられない想い出になっています(⇒コチラに書きました)。


 不便、不平、不満、不快、不足、不安、不経済など、さまざまな「不」は、仕事やビジネスで伸びるための、ひとつの大きなキーワードで、 「消費の現場から不を取り除く、お客さまの不快を解消する」ことが大切です。このことは仕事やビジネスで伸びるための、永遠不変のテーマであることを、豆腐屋さんを例に取り、尊敬するユニチャーム創業者の故・高原慶一朗さんが『理屈はいつも死んでいる』(サンマーク出版、2006年)に書いておられました。

 ある豆腐屋さんの話です。今ではお豆腐はスーパーの売り場で、パック詰めされた商品を買うのが一般的になっていますが、これを裸にして、冷たい水を張った水槽に並べ、お客さまに直接すくい上げてもらうやり方をした豆腐屋さんがいました。ラッパを鳴らして売りに来た、あの昔ながらの販売法に近づけることで、商品の鮮度感を演出しようとしたわけですね。ところが、思うようには売り上げが伸びません。悩んだ豆腐屋さんは、自分の豆腐が売られているスーパーの店頭に実際に立ってみて、お客さんの動きを観察し始めました。すると、一人のお客さんが、水槽を前に手を入れようかどうか躊躇している場面に出くわしたのです。それを見て、そうか!お客さんは冷たい水の中に手を入れるのが嫌なのだ、買い物中に手が濡れるのは困るのだと、豆腐屋さんはそのことに、改めて気づかされました。そこで、売り場に販売員を派遣して、お客さんに代わって水の中から豆腐をすくい上げるやり方に変えたところ、売り上げが見違えるように伸び始めたといいます。鮮度のいい食品は欲しいけれど、手を濡らすのは嫌だ。この人間として当然の欲求を満たすアイデア。小さな不快ではあるけれども、お客さまの購買意欲にとっては大きな障害となっている不快を取り除く工夫、それを加えることで、堰が切れたように、商品が売れ出したのです。

 このように、の解消に少しでも貢献することが、お客さんに快適さをもたらし、仕事やビジネスを伸長させていく強い契機になるのです。以上のことを、モノをつくる側、売る側から見るとどうなるでしょう。毎日の仕事が豆腐の販売員のようであらねばならないということです。つまり、人のいやがること、面倒くさがること、できたらしたくないな、ということをやって、初めて信頼構築につながり、仕事になり、価値が生まれ、商売にもなるのです。冷たい思いをせずして、手を濡らさずして、成果は得られないということですね。

 松江市内のケーキ屋さんで、箱の中にケーキを固定する厚紙を入れて動かないようにしてくれるサービスを初めて体験したのは、いつも利用する松江駅南口「Ciistand」でした。自転車しか使わないので、ケーキが箱の中で動いてしまい家に持ち帰った時にはひっくり返ってぐちゃぐちゃになる、ということを何度も経験していた私には、このサービスは実に新鮮でした。以来ずっと通っています。最近では、松江市内のケーキ屋さんもこうして固定してくれるお店も増えてきました。

 最高に親切なMKタクシーの運転手さんの丁寧な接客に接して、こんなことを考えていました。♥♥♥

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