「釣り針」etc.

 今日は勉強に向かう「心構え」のお話です。授業の合間に、生徒にこんなことを話しています。生徒の心に火をつける(=やる気)ためにです。

先生のイラスト(男性)

 「勉強は農耕である!狩猟ではない!」と生徒たちにはよく言っています。お分かりでしょうか?勉強とは、そこいらにいる獲物を、偶然性に左右されながら狩るようものではないのです。種をまき、水や養分を与え、雑草を取り除き。じっくりと育てる農業のように、計画性が必要な段階を経ながら、日々努力して最後に大きな収穫に至るものなんです。そう簡単に成果は出ません(私は最低でも3ヶ月と言っています)。

 そして学校は、その勉強する方法を教わりに来る所で、勉強を教わりに来る所ではない、というのが私の持論です。学校を卒業したら勉強が終わりなんじゃありません。本当の勉強は学校を卒業してから始まるんです(ちなみに、英語で「卒業式」はcommencement(始まり)と言いますね)。学ぶのは一生自分。学校は自分で一生勉強するための方法を教わりに来る所なんですよ。私が大好きなさだまさしさんも、同様のことを述べておられました:「学校は勉強するところでではない、勉強の仕方を学びに来るところだ」 勉強の仕方」を学んだ人は、一生学び続けることができますからね。

 私はそのために、授業では「勉強の方法」を教えようとしていますが、とかく教員は(特に若い先生ほど)手取り足取り勉強」を教えてしまいがちです。若い先生方に、いつも口を酸っぱくして言っていることがあります。それは、食べるのに困っている人を助ける方法には三種類あって、一番だめなのは、魚をあげる人間」です。一時的には飢えをしのぐことはできても、その時限りの援助でしかありません。魚がなくなればもう終わりですね。次にいいのは、魚の釣り方を教えてあげる人間」です。釣り方を教えてあげれば、食べるものがなくなった時には、自分で魚を釣って食べることができますね。じゃあ、これが一番いい援助の仕方かというと、まだまだ上があるんです。一番いいのは「釣り針の作り方を教えてあげる人間」です。そこまで教えてあげておけば、全て自分でまかなうことができます。私は教育も「勉強の仕方」を教えてあげるのが一番だと思っています。授業でも、英語の「釣り針」の話をできるだけするように努めています(例えば「単語の覚え方」など)。

 もう一つ、京セラの前会長稲盛和夫さんの有名な言葉が、心の中に残っています。氏によれば(人生の結果)=(考え方)×(情熱)×(能力)だといいいます。かけ算だというところがミソで、いくらいいものを持っていても、考え方がおかしければ、結果はマイナス。ものの考え方を身につけておいてもらいたいというのもこういう訳。1時間の授業を大切にする」「休まない」「遅刻しない」「やりっ放しにしない」などをうるさく言うのは、そういう理由からです。あらゆる点で尊敬する松江北高のOBで、日本にマクドナルドを初めてオープンさせた藤田 田社長が、唯一間違った点は、勝てば官軍」精神で、会社を経営してしまったことだと思っています。金儲けのためには法に触れなければ何をしてもよい、は明らかに間違っています。同様に、「点を取るためには何をしてもよい」という誤った心構えから、受験に失敗した生徒たちをたくさん見てきました。

 次は、中国の有名なお話で、私が若い頃から好んで話してきた逸話です。

 兄弟でロバを引いて歩いていたら、「無駄なことをしている」と言われたので、兄が乗ることにした。しばらくして行き違った人から「あの兄は年少者に対する愛情がない」と非難されたので、遠慮する弟を無理矢理馬上に押し上げたら、「礼儀を知らない弟だ」とまた人から叱られた。それではと、二人で仲良く乗ったら、こんどは「動物虐待だ」と騒がれたので、二人でロバを担いで返ってきた。

 さて、「この兄弟はなぜこのような無駄な骨折りを続けなければならなかったのだろうか?」と生徒たちに問いかけます。答えは簡単です。この兄弟はロバを利用するのか、ロバを愛するのか、礼儀を守ることを主とするのか、年少者をいたわることを主とするのか、要するに目的」が確立していなかったのです。目的(目標)さえ確立しておけば、このように個々の状況判断において右往左往することはなくなります。人生は右往左往しているほど長くはないのですよ。

 勉強も同様です。自分の目標を明確に持つ、そしてブレることなくそれに向かって突き進んでいく。尊敬する見山 敏(みやまさとし)さんの「やる気の三原則」も、目標が明確になっていること、②進歩の度合いが分かること、③ほめられ認められること、でした。ただし、注意したいことは、「今をしっかりやらず、先ばかり見ても仕方がない」清宮克幸ということ。

 いかに長大な目標であっても、それを細分化して、一日で、あるいはほんの15分で小目標(実行目標)をこなしていきさえすれば、ついには信じられないような大きな目標もわけなく達成できるのです。この15分を利用するというのは、私が若い頃、竹内 均先生(東大名誉教授、『ニュートン』編集長)から聞いて以来、実行している秘訣です。ちょっとした時間の積み重ねが大きく物を言うのです。紙が10枚20枚ではたいした高さにはなりませんが、1000枚、10000枚になるとかなりの高さになるのと似ています。生徒のみなさんは、通学の汽車・バスの中、学校の休憩時間、すきま時間」を上手に利用するのです。❤❤❤

 

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