特急「踊り子」

 大好きな西村京太郎先生(90歳)の人気ドラマ十津川警部シリーズ「伊豆海岸殺人ルート」「伊豆・踊り子号殺人ルート」「伊豆踊り子号殺人迷路」「伊豆の海に消えた女」には、JRの特急「踊り子」号が出てきます。「踊り子」号は、首都圏と伊豆半島を結んではや40年、首都圏では珍しくなった、旧国鉄型車両で運転される唯一の特急列車です。都心~伊豆ルートは、古くから観光路線としてにぎわってきました。そこで一躍人気者になったのが、この「踊り子」号です。塗装や座席を変えながら続いてきました。1984年に刊行された先生の『L特急踊り子号殺人事件』(講談社ノベルス)に寄せられた先生の「著者のことば」には、次のようにあります。

 東京駅のホームに立っていると、白い車体にグリーンの斜線の入ったスマートな電車が出て行くのが見える。伊豆へ行くL特急「踊り子」号である。いかにも、伊豆の明るさにふさわしい電車である。また、美しい風景こそ、殺人にふさわしいという言葉がある。とすると、L特急「踊り子」号はどうだろうか?

 1981年(昭和56年)10月に、特急「あまぎ」急行「伊豆」を一本化して、列車名も新たに「踊り子」と命名して誕生しました。名称はもちろん、川端康成の小説『伊豆の踊子』から公募により命名されました。1985年(昭和60年)3月からは、当時新鋭の185系電車を投入してイメージを刷新、一躍人気の特急列車となりました。当時の国鉄は財政難に陥っており、車両への投資を抑える狙いがあり、特急形(長距離を移動する列車)と通勤用列車(時に定員の2倍近い乗客を乗せる列車)の両方に使えるように設計したものでした。一つの車両で、二つの異なる需要を実現するのは、国鉄にとっては前代未聞のことでした。ドアの幅は特急形の700mmから、大人二人が並んでも乗り降りできるように1000mmに拡大、座席は回転クロスシートではなく、背もたれを動かして向きを変える転換クロスシートになりました。さらに座席の幅を可能な限り詰めることで、通路の幅660mmを確保して、車内の流動性を良くしています。窓は、定員を大幅に超えて利用することを想定して、換気の観点から開閉可能になっています。白と緑という軽やかなデザインが斬新でした。251系の「スーパービュー踊り子」号という姉妹列車も走っていましたが、2020年3月14日のダイヤ改正で引退をして、最新の「サフィール踊り子」が登場しています(最近の鉄道雑誌が大きく取り上げていて、私もぜひ乗ってみたいと思っています)。私は古き時代を感じさせてくれるこのレトロ感たっぷりの「踊り子」号が大好きです。と同時に、今後の先行きが最も不安視されるようになってきている車両の一つでもあります。確かに、この車両は現役の特急車両の中でも、かなり古参の部類となってきました。もう40年を上回るまでになってきていますから、現在島根県内を走っている「特急やくも」号(⇒私のレポートはコチラ)と同じようなノスタルジックな列車です。「懐かしい雰囲気」「古臭い雰囲気」として、時代を感じることができる伝統車両であることだけは間違いないと思います。私はこのとき湯河原から、東京までこの列車に乗りました。


 さて、この「踊り子」号に使用している国鉄特急型電車185系について、JR東日本は退役させる方針です。理由は老朽化。特急踊り子=185系電車の歴史がいよいよ幕を閉じることとなります。また、これに伴いJR東日本における定期特急列車で運転される形式から、“国鉄型車両”が完全に消滅します。なお、後継の「踊り子」には中央本線特急列車「あずさ」を中心に活躍しているE257系電車が、2020年3月のダイヤ改正から転用され営業運転に就いています。185系「踊り子」の姿を見られるのもあと少しです。381系「やくも」号より早くその命脈は尽きそうです。残念無念!!私はこうやって全国の主な特急列車一つ一つを制覇しているところです。❤❤❤

 昭和56年のダイヤ改正で、国鉄は、伊豆方面のへの列車「あさま」と「伊豆」を廃止し、代わりに、L特急「踊り子」を登場させた。もちろん、川端康成の名作『伊豆の踊子』にちなんだ命名である。このため、国鉄は、新鋭の185系列車を投入した。白い車体に、斜めにグリーンの線が入った185系は、踊り子の旗と、赤い円の中に、白ヌキで、「踊り子」と書いたヘッドマークで有名になった。このL特急「踊り子」は、東京を出発したあと、熱海で、修善寺行と、伊豆急下田行とに分割される。   (西村京太郎『L特急踊り子号殺人事件』(講談社))

【追記】 私の大好きだったシンガー・ソングライターの故・村下孝蔵さんに、これと同じ名前の「踊り子」(1983年)というヒット曲がありました。まだ若くしてお亡くなりになってしまい(享年46歳)、残念でした。まだまだ名曲を書いて聴かせて欲しかった!

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