Ryan : I already knew how to build a fire. You can experience camping in video games. Don’t you know that?
Mom : Very funny. But experiencing it through a video game and actually doing it are completely different. You should learn to appreciate nature more.
進研模試の 「解答・解説」の訳文では次のようになっています。
ライアン:火の起こし方なんかもう知っていたよ。テレビゲームでキャンプの経験をすることができるんだよ。知らないの?
母親: 全然面白くないわよ。でも、それをテレビゲームで経験することと、実際にやってみることは、全く違っているわ。もっと自然を楽しめるようになるべきよ。
いまいち流れがよく分からない訳文です。ここは「ま~、面白いこと」(→全然面白くない)の皮肉・反語的な使い方です。“Very funny.”の直訳は「すごく面白い」ですが、実際は反語的に、逆の意味で使われることの多い表現です。英米の学習辞典にあたってみると、 “Used sarcastically or ironically to indicate that the speaker does not share another’s amusement”/ “spoken used when someone is laughing at you or playing a trick and you do not think it is amusing” とあるように、あなたが何かを発言して、相手に“Very funny.”と言われたら、100%相手は嫌味・当てこすりを言っていると思って間違いありません。その証拠に相手の表情を観察してみましょう。目は笑っていないはずです。“Very funny.”というフレーズは、話し言葉で本当にしょっちゅう使いますが、これは、「大変面白い」という直訳的な意味で使っているのではなく、反語的に「あー面白いね」の意味で使われており、→(あ~あ、本当は)ちっとも面白くない」→「そんなことないでしょ」「冗談やめてよ」「うそばっかり」「はいはい、わかりました」「ふざけないで」「いいかげんにして」というニュアンスで使います。ま、もともと、「とても面白い」という意味なので、例えば、友達にキャッキャいいながら、からかわれているときや、度を越した相手の悪ふざけにカチンときたとき、嫌みっぽく、「何がそんなに面白いのよ」「全然可笑しくなんかないでしょ」という空気の中で、“Very funny.”「全然可笑しくなんかないわよ」「バカなこと言わないで」となるわけです。私たちの『ライトハウス英和辞典』(第6版、研究社、2012年)では、「Spoken[皮肉に]おかしいよ;笑いごとじゃないよ」としています。「今はテレビゲームで何でも経験できるんだ。そんなことも母さんは知らないのか?」と反論する息子に対して、皮肉を言ってたしなめている母親の姿を思い浮かべながら聞かないといけません。本校のALTAzad先生は、上のVery funnyを次のように解説してくれました。そして、“Ha ha very funny.”とも言う、と付け加えておられます。
・"very funny" ―in a sarcastic manner ・using irony to make Ryan's comparison of building a fire in video games and real life ・it's said flatly to emphasize the lack of humour