ビーディを応援

 ちょっと前のことになりますが、4月30日対広島戦において、巨人の初回守備時の一塁ベンチに異様な光景が広がりました。長野ら控え野手とコーチ陣が全員ベンチ2列目に整列して、“総立ち応援”です。全員が腕を組みながら戦況を見つめ、好守には帽子を頭上に掲げて称賛し、ビーディがストライクを投げる度に拍手をして鼓舞しました。まるで高校野球です。でもそれだけ必死さは伝わってきます。これは一体何だったんでしょうか?

 しかし、応援も空しく、5度目の正直もなりませんでした。試合前まで4試合に先発し、0勝3敗、防御率4.29だった巨人の開幕投手、タイラー・ビーディ(29歳、前パイレーツ)が、広島戦に先発。初回に松山の内野安打で先制を許すと、二回には上本にソロ本塁打、1-2の三回には秋山にバックスクリーン左へ叩き込まれました。四回2死満塁のピンチを招いたところで、原監督に交代を告げられました。中8日で臨んだものの、4回途中8安打5失点でKO。自身4連敗となったビーディの防御率は5.47に悪化です。巨人の新外国人投手でデビュー4連敗は初。12球団の開幕投手で唯一勝ち星がなく、巨人の開幕投手が5試合目まで未勝利なのは、1974年の高橋一三以来49年ぶりとなるなど、負の記録のオンパレードです。巨人のチーム防御率3.90は12球団ワーストです。4戦続けて五回までにマウンドを去り、「先発の仕事ができずチームに申し訳ない」とうなだれました。

 今日の投球は別として、彼はゲームはそこそこ作っていると思います。打線が点を取ってやれないときに投げているので勝ち星こそついていないのですが、ゲームはしっかり作っていると思います。ただ、結果がこうなってくると「休養を与えようか」とか、そういうことになってきます。1カ月経って疲れもきています。加入1年目の右腕にとってはホロ苦いスタートとなりました。点を取ってくれるまで辛抱ができると、打線も奮起してくれるのでしょうが、何せ初回、二回にもう失点してしまいますからチームも元気が出ません。これでは勝ち運はめぐってこないでしょうね。ここがもう一人の外国人投手グリフィンとの違いです。ビーディは、初めての二軍の試合でも初回そうそうに4点も取られています。二回目の登板でも大量点を取られました。3試合二登板して0勝1敗。防御率6.19。こりゃダメだ。

 ボールが甘すぎます。追い込むまではいいボールがいっていますが、勝負球が中へ中へと入ってきます。「ゾーンを上げて高めの球を積極的に打ちにいってもらいたい」と広島の迎打撃コーチが打線に指示した通り、痛打を浴び続けました。これで自身4連敗。原監督「あれだけ真芯でパーン、パーンというのはね。少し時間を与えるべきかなと思います」と再調整を示唆、登録が抹消されました。

 来日が決まってすぐ、コンタクトがうまい日本打者の対策にスプリットの習得を進めるなど真面目な選手です。球威や変化球のキレと、制球のバランスをどう取るか?「ビーディと我々が手応えを感じるところまで時間を使いたい」阿波野投手チーフコーチも、助力を惜しまない考えです。チームは4月を借金3で終えました。先発投手で勝ち星が付いたのは、戸郷、グリフィン、横川、山崎伊の4人だけです。浮上には、ビーディの順応が欠かせません。

 巨人は昨オフ、デラロサ、アンドリース、C・C・メルセデス、ビエイラ、クロール、シューメーカーの助っ人6投手を全員自由契約にしました。さらにFA補強を行わなかったこともあり、山ほど外国人投手をかき集めました。ただ、補強組ではメンデスが勝ち星のないまま故障で離脱。リリーフとして期待され大金をはたいて獲得したロペスも未勝利で二軍生活を余儀なくされています。4勝2敗のグリフィンにだけが防御率は2.52と大健闘しています。巨人の外国人はどうしてこうもいい選手を連れてこれないんでしょうか?最近では活躍したのはマイコラスぐらいですね(日本から帰ってからも大ブレーク)。それに比べて横浜ベイスターズは、バウアーというサイヤング賞投手(2020年)を獲ってきています。2015年から5年連続2桁勝利をした実績もあります。日本初登板の試合を見ましたが、モノが違います。伝統的に駐米スカウトが昔から横浜はよく見ていました。さる球界関係者がこう言っていますた。「春のキャンプから新助っ人勢の評判は上々で3人が開幕ローテ入り。リリーフのロペスも開幕一軍メンバーに入った。新助っ人投手への依存度は高かったが、グリフィン以外は壊滅状態。巨人は昔から『外国人選手が当たらない』といわれるけど、近年もマイコラス(2015~2017年在籍)以降は野手も含めて外れが多い。原監督はスカウトに対する不満をあらわにしている」阿波野投手チーフコーチ「もう一回立て直さなきゃいけないなというところ」と、ビーディの二軍再調整を命じました。原監督に詰め腹を切らされそうな海外スカウトは戦々恐々としていることでしょう。

 ビーディは高校と大学の2度、大リーグ球団から1巡目指名を受けた期待の有望株でした。ビーディは高校時代の2011年にMLBドラフト1巡目(全体21位)でブルージェイズから指名を受けるも、名門バンダービルト大に進学。2014年にジャイアンツからドラフト1巡目(全体14位)で再び指名を受け入団しました。2018年にメジャーデビューし2試合に登板。翌2019年には22試合に先発し5勝10敗、防御率5.08の成績を残しました。2020年は3月にトミー・ジョン手術を受けたため全休。2021年に復帰を果たすも、1試合の登板に終わりました。2022年はジャイアンツで6試合に登板も防御率4.66と結果を残せず、5月に事実上の戦力外となる「DFA」となりました。その後パイレーツと契約し、25試合登板で2勝5敗、防御率5.23でした。MLB公式のデータサイト「ベースボール・サバント」によると、平均は96マイル(約154.5キロ)の力強い直球に比べ、平均88マイル(約141.6キロ)のスライダー、平均85マイル(約136.8キロ)のチェンジアップ、平均79マイル(約127.1キロ)のカーブを操る本格派右腕です。メジャー通算4年間での奪三振率は7.84で、メジャー平均の6.7よりは少し高い。一方で制球力は課題で、2.0を切ると優秀と言われる与四球率は4.0となっており、決して良くはありません。

 力のある球を持っているのに先発で勝てないなら、リリーフで8回の男として(「魔の8回」として連続失点が続いています)、1回だけを気持ちを込めて全力で大勢(彼も今年は決して本調子ではありません!)の前に投げさせてみるのもありなんじゃないかと思います。メジャーではずっと中継ぎ投手だったそうですから、案外ハマるかもしれませんよ。と思っていたら、6月4日付けの「スポーツ報知」「中継ぎ転向」の記事が出ました。昨季はパイレーツとジャイアンツで26試合に救援として登板しています。最速158キロの助っ人右腕が候補に浮上しているそうです。そもそもロペスはいったいどうしたんだ??

◎いや、はまりそうだゾ!

〔続報〕2軍で6月4日に中継ぎで登板しましたが、1回1/3を2安打1失点でした。まだまだですね。6月7日には1回2安打無失点でした。6月9日の交流戦ソフトバンク戦から、配置転換され1軍にリリーバーとして合流しました。中継ぎとして起用されてからは、9日のソフトバンク戦に続き2試合連続の無失点で初ホールドも記録されました。「勝っている8回で投げる役割は重みが違う。ストライクゾーンに集めることを意識した」いいじゃないか!6月13日の西武戦も8回に登板して、ファーボールの連発でワンアウト満塁のヒヤヒヤドキドキのピンチを招きますが、ダブルプレーに打ち取り事なきを得ます。水を得た魚のように、ビーディが新しい持ち場の8回で輝く予感がします。救援転向で5試合連続無失点と躍動しました。原監督「可能性がある限り、前に進まないといけない。上から投げてダメなら横から、右でダメなら左で投げるくらいでいかないと」と執念の詰まった采配を見せました。球は速いんだから、もっとストレートでどんどん押し込むといいと思います。このビーディに加えて、中川が戻ってきて、新加入の鈴木、安定している高梨、新戦力の菊池、人格者としてワンチームの投手陣をまとめる三上、故障から戻ってきた先発の菅野メンデス、先発で実績を残している戸郷、グリフィン、山崎伊、横川、とピッチャー陣が整備されてきて、巨人の逆襲が始まりました。♥♥♥

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