nervous Nellie

 “Nervous Nellie”という英語表現に初めて出会ったのは、学生時代に毎日読んでいた“Ann Landers”の悩み相談コーナーでした。当時は辞書にも全く記載がなく、最初は何のことかさっぱり分かりませんでした。アンテナを張っていると次から次へと用例が集まってきて、通常はあまり自信がなく、心配性で、緊張しやすい人(someone who tends to be anxious or excessively concerned about minor things)を指すことが推測できました。この表現は、しばしば人が何かをする前に余分な心配や不安を感じる傾向がある人々を描写するのに使われます。“Nellie”は女性の名前であり、この表現は比喩的な意味を持ち、性別に関係なく使われます。nervousはかつては大文字が普通でしたが、最近では小文字の方が優勢です。

《米俗》取り越し苦労をする人,神経過敏な人 Am I being overly a nervous Nellie? あまりにも神経過敏になっているのでしょうか。―安藤貞雄『三省堂英語イディオム・句動詞大辞典』

    Although he still thinks of her as a little sister, I am upset about the way she flirts with him. Am I being overly concerned?―Nervous Nellie in Newark  ―”Ann Landers,” July 14, 1983.  

   I still believe Nervous Nellies are better off to say no. ―”Ann Landers,” Feb.6, 1984.

   I must comment on your response to “Nervous Nellie,” the woman who has a chance to be promoted and work for a control freak. Ann, your answer shows that you have never had to work for one. ―”Ann Landers,” Jan.15, 1997.

   My 5-year-old youngster had just started riding a bicycle, and being a “nervous Nellie” mother, I am already envisioning serious accidents from his rather wild riding.  ―”House Call,” March 15, 1978. 

   “So help me, you people in this industry are acting more and more like nervous Nellies. You’ve gotten too damn sensitive to criticism and too defensive…” ―A.Hailey, Wheels. 

   In other words, all this information can make us into a bunch of nervous Nellies?   ―USA Today, May 19, 1989.

   The last thing I need is a Nervous Nellie on the set the day the roof falls in.  ―C.Keene, Stay Tuned For Danger. 

▲私がA~Zまで基礎原稿を準備した労作です

 『新リトル英和辞典』(第5版、1987年、研究社、1,300円)という小型ポケット英和辞典をご存じでしょうか?今からもう37年前に出版された辞典です。故・竹林 滋先生(たけばやししげる、東京外国語大学名誉教授)のご指名で、私がA~Zまで一人で基礎原稿を書き上げた、想い出のいっぱい詰まった小辞典です。東京からわざわざ真冬の寒い大雪の日に、研究社の責任編集者の方が、当時勤めていた島根県立松江南高等学校へお見えになり、正式に依頼を受けました。私も当時ははつらつとして元気でしたので、夜を徹して作業に没頭しました。当時、海外旅行者・出張者、日本で働く外国人が増え続けており、あらゆる分野で外国との交渉が密になってきており、この種の小型辞典のニーズが益々高まっていたのでした。「最小のスペースに最大の情報を盛る」という編集方針の下に、時代の変化に即応することを目指し、携帯用小型辞典として最新の英語を可能な限り採録するように心がけました。三省堂の『コンサイス英和辞典』を抜くことを目標に、ずいぶん頑張ったことを思い出します(目標を達成した時は嬉しかった!)。それまでの4版の全ての記述を総点検して、やや古くなった見出し語・語義を削除してスペースを確保して、33ページ増やしました。そして何と言っても、サンセリフの美しい大型活字を見出し語に採用してもらったことが、紙面の見やすさという評判につながり大好評をいただきました。

 当時の国際情勢・社会情勢と共に生まれて定着した新語や新語義を丁寧に拾っています。私の収集した「用例カード」を基にして、新情報をできる限り盛り込むようにしました。例えば、上の写真で、nervous Nellie「臆病な人」という語句が収録されていますが、当時これを取り上げている英和辞典は少なかったと思います。“Ann Landers”の悩み相談欄に頻繁に登場していた語句で、かなりの用例が溜まっていたので、取り上げた記憶があります。

 正確な句源は分かっていませんが、“Nervous Nellie”と頭韻を踏んでいることから口ずさみやすさがあります(類例:Debbie Downer, Negative Nancy)。Nellieが女性の名前であるところから最初は女性を指して使われましたが、時と共に性別に関係なく男女を問わずに使われるようになりました。ほぼ同じような意味の語句に、worrywart, scaredy-cat, CChicken Little, bundle of nerves, Panic Peter/Patty, handwringer, Fretful Freddy, Timid Tim, Jittery Joe/Jane, Anxious Annieなどがあります。♥♥♥

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