Brillo

 2025年3月30日に新たにオープンした「鳥取県立美術館」は、県が総事業費約65億円を投じて建設した鉄筋コンクリート3階建て、延べ床面積約1万600㎡の施設で、コンセプトは「OPENNNESS!(開放)」。多様な価値観を受け入れ、「県民の誇り」となる美術館を目指しています。中でもアンディ・ウォーホル(Andy Warhol、1928-1987)の作品「ブリロの箱」5個を3億円で購入した際に、県民からは「どこが美しいのか分からない」「5個も必要?」といった疑問や批判の声が上がり、開館前から話題を集めてきました。税金3億円の使いみちは無駄遣いなのか、有効活用なのか。そこで鳥取県は各地で説明会を開くことになりました。倉吉市で開かれた説明会では、県民から「どこが美しいのか分からない!」「3億円あれば、もっといろいろな作品を購入できる」「1個あれば十分、なぜ5個も買う必要があるのか」といった疑問や批判の意見が相次ぎました。地域で美術館建設を応援してきたメンバーの一人からも「突然、3億円で購入のニュースが流れて、裏切られた気持ちがする」といった声が寄せられています。

 これまで県立の美術館が存在しなかった鳥取県に、新たな芸術文化の拠点ができました。コンセプトは「未来を”つくる”美術館」。世界的に評価の高い作品から、若手作家の作品まで幅広いコレクションの構築を目指しています。

 このブリロ(Brillo)とは、アメリカの家庭用スチールウールタワシのメーカーです。アンディウォーホルはその包装箱をベニヤ板の箱にプリントし、作品としました。「ブリロ・ボックス」は、1964年にアンディ・ウォーホルによって制作された作品で、市販のブリロのパッケージの精密な模倣品です。この作品は、「芸術は人生を模倣する」という考えを表現し、また、私たちが何が芸術であるかと認識し、そして芸術の価値を見出すことについて疑問を投げかけていました。

【公式】鳥取県立美術館 ブリロの箱 バナー

ウォーホルの「ブリロの箱」5つ

ウォーホルの「キャンベル・スープ」

 さらに美術館は、ウォーホルの立体作品「キャンベル・スープ」を4,554万円で購入していました。ウォーホル作品を収集する理由について、鳥取県は、ポップカルチャーを美術館の柱の一つにするためだと説明しています。鳥取県にはこれまで県立の美術館がなく「全国最後の県立美術館」とも言われる中、最後発の公立美術館が独自色を出すためにも、ポップアートの旗手のウォーホル作品を目玉にしようというのです。ウォーホルは、マリリン・モンローの肖像画や、バナナを描いたロックバンドのアルバム・ジャケットなどの作品で知られています。ポップアートが誕生したのは1940年代のこと。当時ニューヨークで爛熟していた抽象表現主義への反動として、ラウシェンバーグジャスパー・ジョーンズがポップアートの先駆者となっていました。デザイナーとして活躍していたウォーホルにとって転機となったのは、平面的な絵画を制作していたジャスパー・ジョーンズらとの出会いでした。1960年代初頭、ウォーホルはポップアートへと移行します。漫画の一コマ、キャンベルスープ、ドル紙幣や女優のプロマイドなどの日用品をテーマに、シルクスクリーンに拡大転写する技法でセンセーションを巻き起こしました。大量生産される通俗的なアイテムがアートのテーマになり得ることを証明したウォーホルは、感情を廃したクールなイメージで一時代を築いていきます。ウォーホルのこの手法は、アートにはまったく縁のない人にとってもアートを身近に感じる効果をもたらしました。同じモチーフを単純に反復するだけではなく、スープの種類や色彩を変えることで、人々の関心をより集める要素も持っています。商業的な素材を使いつつ、遊び心も忘れていないのがウォーホルらしいところです。ウォーホルはポップアートの顔として、そのスピリットを体現する芸術家となりました。数々の作品は、大衆文化のイメージをアートに持ち込んだとして芸術界に大きな波紋を呼びました。

「優れた作品を収蔵していれば、県民だけでなく国内外からも多くの来場者が見込まれ、美術館の存在感を増すことができる。また、ほかの美術館から『貸してほしい』といった声がかかり、代わりにこちらが望む作品を貸してもらうことができる」

▲JR米子駅に売られていたポルボローネ

 宝製菓では、この鳥取県立美術館の開館に合わせて、同館の目玉作品、アンディー・ウォーホル「ブリロの箱」をデザインしたお菓子を発売しました。その名も「『ブリロの箱』黄金のポルボローネ」です。県産のバターを使ったポルボローネは口のなかでホロホロと崩れる四角いクッキーです。県立美術館の売店をはじめ、直営店のスウィートランドTAKARAや県内のお土産売店などで発売されています。私はJR米子駅「おみやげ街道」で見つけてきました。♥♥♥

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