このincreasinglyという副詞には、チョットした想い出があります。以前Backlundという人の研究書で、「increasinglyは悪い意味で使われることが普通」という指摘に出会いました。本当にそうだろうか?と好奇心が湧いてきて、いろいろと調べてみたんです(「Increasinglyの語法」『研究紀要』第14号 島根県立松江南高等学校、1986年)。確かに当時読んでいたアメリカの新聞などでは、マイナスの単語と共起することが多かったようです。
『ライトハウス英和辞典』 の編集作業で、イギリス英語の立場からイルソン博士にこのことを伺ってみました。すると「そんなことはない。increasingly good もincreasingly bad もどちらも普通」とのことでした。一方ボリンジャー博士は、アメリカ英語の観点から、次のような観察を示されたのです。「下の英文では、bの方がより普通。aの場合にはmore and moreなどを使いたく思う。ただ、英米差があるのかもしれないが…」
a. I'm increasingly delighted with his performance.
b. I'm increasingly dissatisfied with his performance.
これを踏まえて『ライトハウス英和辞典』(研究社)が初めてこのことを語法注記したのですが、今では削られています。現在では『グランドセンチュリー英和辞典』(三省堂)だけが「良くない意味に使う」と注記しています。機会があれば、大規模な語法調査を実施してみたく思っています。今なら大規模コーパスが利用できるので、正確な実態が浮かび上がってくると思っています。
今日は兵庫県立小野高等学校の大塚幹典先生より、英語学習の要点を整理した「MO(大塚幹典)の英語」という資料をお寄せ頂きました。早速ダウンロードサイトに登録させていただきます。大塚先生も、私同様渡部昇一先生の大ファンで、不思議なご縁を感じます。同じく「チーム八ちゃん」の都立日比谷高校の石崎陽一先生は渡部昇一先生の直弟子です。
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「MOの英語」 兵庫県立小野高等学校 大塚幹典先生提供
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