Freeze!

 ハロウィンの時期になると必ず思い出すのが、1992年10月に起こった痛ましい事件、愛知県名古屋市の服部剛丈(はっとりよしひろ)くんの射殺事件です。FSの留学生としてアメリカ・ルイジアナ州バトンルージュ市に暮らしていたいた服部くんは、ホストブラザーのウェブ・ヘイメイカーと一緒に、ハロウィン・パーティーに出かけました。パーティーの会場である友人宅に着いたのですが、そこは番地が似ていた別の家でした。そのことに気づかずに、二人は正面玄関のドアベルを鳴らしますが、応答はありません。横手にあるカーポートのドアの方へ行きますが、二人は家を間違ったかもしれないと思い、車道の方へ戻ります。しばらく立っていると、カーポートのドアが開きました。服部くんは「パーティーに来たんです」と言いながらドアの方へ歩いて行きます。ドアのすぐ近くでは、この家の主人であるロドニー・ピアーズが銃を構えていました。ウェブは「ヨシ、だめだ、戻ってこい!」と叫びます。服部くんを強盗だと思ったピアーズは“Freeze!”(動くな)と言いますが、服部くんはその言葉の意味が分からず「パーティーに来たんです」と、家に入ろうとした直後に撃たれてしまいました。マグナム44口径の弾丸が胸を貫通し、出血がひどく救急車の中で死亡しました。刑事裁判では無罪判決、民事裁判では勝訴します。このあたりの事情は、主任弁護人のチャールズ・ムーアが「「服部君裁判」勝利の瞬間」という独占手記を『文藝春秋』1994年11月号に寄せています。この事件の全貌がよく分かる資料でした。そしてこの後、アメリカもさまざまな銃規制の運動へとつながっていくのです。服部くんの死を無駄にしないためにも、ご遺族の方々も貴重な取り組みをしておられます。

 さて、当時はまだこのFreeze!” the gunman said.(「動くな!」と殺し屋は言った)という表現が、日本ではほとんど知られていませんでした。辞典にも収録はなかったんです。ただ『ライトハウス英和辞典』(研究社)だけは、この口語表現を載せていたのを覚えています。というのも、当時警察小説(しょっちゅう出てくる表現です)をたくさん読んでいた私が、原稿の中に書き入れたものです。この表現を服部くんが知っていたら…、と悔しく思ったのを、今でも思い出します。

 今日はESSの部活動で、ハロウィンのかぼちゃを作りました。みんなでかぼちゃ(大・小)の選定から始まり、めいめいがそれぞれの図柄に合わせて、中をくり抜いてナイフを入れていきます。そしてキャンドルを灯して出来上がり。見に来られた職員の方々にジャッジをしてもらい、そして記念撮影。出来上がったパン

プキンは図書館の一角に飾り、31日に向けてハロウィンの雰囲気を盛り上げます。今北高の図書館は、ハロウィン色満載です。

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