以前、『ライトハウス英和辞典』の改訂作業の中で、他動詞stand「おごる」の用法につまづきました。初校にはこんな提示がしてあったんです。
An old gentleman stood me a dinner.
《受け身可能》
I was stood a dinner by an old gentleman.
似たような用例は、今でもたくさんの英和辞典に見ることができます。
I’ll stand you a dinner.[ジ-ニアス]
I’ll stand you a meal.[スーパーアンカー]
I will stand you a dinner.[グランドセンチュリー]
I’ll stand you lunch.[ユースプログレッシブ]
She wond the lottery and stood me a dinner.[Eゲイト]
I’ll stand you a beer.[アドバンストフェイバリット]
I’ll stand you a glass of beer.[オーレックス]
もちろんこれらは、次のような英国の学習英々辞典を下敷きにして作られた用例です。「食べ物・飲み物に関して」と注記の入ったものもあります。さて、ここに問題があるのです。
She was kind enough to stand us a meal.[OALD]
I couldnt get to the bank,m so could you stand me lunch?[CALD]
Come on, Jack. I’ll stand you a drink if you like.[LDOCE]
Somebody in the bar would stand him a coffee.[ODE] I’ll stand you a dinner.[LDEL]
しかしながら、アルジオ博士は、上の初校の用例を見るなり、受け身は誤りとされました。さらには、この「おごる」の意味のstandは非常にまれで、それもある特定の目的語に限定されると言います。stand someone a drink in a bar.ならOKだけれども、× stand someone a dinner.は普通ではない、と言われます。また、この用法はアメリカ英語ではなく、イギリス英語だと断言されました。確かに、BBI(2009)には”esp.BE”とあります。そこでイギリス英語の立場から、イルソン博士におうかがいしてみました。やはり受け身は可能ではあろうが、あり得ないと否定的です。用例も A friend of mine stood me a drink.に差し換えるように、との反応でした。BBIにはCan I stand you another round of drinks?という用例が添えられています。上記の英和辞典の用例も、いくつかは改善の余地がありそうですね。
さて、今日は石川県立金沢伏見高等学校の東 正一先生より、英和辞典の指導資料をお送りいただきました。入門期の新入生ガイダンスにはうってつけの資料です。ダウンロードサイトに登録させていただきます。東先生、ありがとうございました。
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「英和辞典の使い方」 石川県立金沢伏見高等学校 東 正一先生ご提供
※私はこういうトリック・アートが大好きです。エッシャーの「だまし絵」ではまりました。
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