バントのsign/signal

野球のバットとボール 野球で「バントのサイン」と英語で言うときに、次のどれが普通なのでしょうか?故竹林 滋先生より辞書編集部を経由して私のところに調べるように指示が来ました。

The manager gave the batter the bunt sign/ signal.
The manager gave the batter the sign/ signal to bunt.

 和英辞典では、監督などからの合図は単にsign, signalを用いる」(『ルミナス和英』) 、 「野球用語の「サイン」(合図)はsignまたはsignalである」(『スーパーアンカー和英』)、「また野球などで用いられる監督やバッテリー間の「サイン」はsignalを用いる」(『オーレックス和英』)、「(野球などの)a signal」(『グランドセンチュリー和英』)、と意見は分かれています。野球中継を聞いている限り、signと言っていることが多いという印象です。

 ボリンジャー博士は私たちのために、スポーツ・ジャーナリストたちにあたって、この表現の実態について調べてくださいました。博士の地元のスポーツライターは「signがより好まれるだろうが、signalも正しい」という反応でした。別のスポーツライターは「signalの方をより好む。両方とも受け入れられるが」という意見。「どちらもOKだが、自分はsignを好む」という記者も。どうやらどちらもOKのようですが、強いて言うならsignの方が好まれる、という実態でしょうか。博士は、San Francisco Examinerの野球記者にも確認を取ってくださいました。それによりますと、監督から出されるサインはsignalではなくsignであるとのこと。さらにthe bunt sign の方がthe sign to buntよりも普通であるとのことでした(他の記者たちは両方を認めたが)。ここら辺が、理論一辺倒にならずに、言語事実を大事にされるボリンジャー博士らしいところです。いつも博士は、実際の使用例をつぶさに検討して、それに内省を加えて結論を出される方でした。博士の多数の本や論文の根底に流れているのはこの精神です。博士の「全著作一覧」を、息子さんのBruce Bolingerさんが公開しておられます。その数の多さに圧倒されますね。⇒コチラです

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