ノーマン・ピール

 考え方を変えなさい。それだけであなたの世界は変化する。  ―ノーマン・ピール

 昔、東京で洋書店をのぞいたら、人生いかに生きるべきか」という解説本がズラーツと並んでいるのを見てびっくりもしました。やはり世相を反映しているのかな、と思った記憶があります。当時ベストセラーになっていた『小さなことにくよくよするな』の原書を買って帰りました。今日紹介するのは、ノーマン・ピール(謝 世輝訳)『人生が驚くほど逆転する思考法』(知的生き方文庫)という本(ついでながら、今私はこの訳者謝 世輝さんの本にのぼせていて、昔の本を古書店などで集めているところです。もう20冊ぐらい読みましたかね)。誰もが持っている人生を変える力(プラスファクター)をどうしたら発揮できるのかというテーマに取り組んだ実用本です。ぜひ高校生のみなさんに読んでもらいたい1冊です。お薦めしておきます。気になった部分を再録しておきます。 ▲どんなに実現不可能に見える夢でも、そんなことは問題ではありません。意志を強く持ち、自分を信じて夢を実現させる努力を続けていれば、ひとりではとうていできないようなことでも、誰がが来て、きつと手伝ってくれます。 ▲行き着く港のない船に、風は決して帆を押さない。 ▲いい考えが浮かんだら、行動を起こそう。 ▲人間というものは、期待されればたいていはそれに応えられるものなのである。あなたの願いや無意識の気持ちが強ければそれがプラスファクターの扉を開き、エネルギーとなって願いをがなえるのである。希望を持っているかいないがは、その人の向いている方向ですぐわかる。希望を持っている人は未来に目が向いている。後悔ばかリして希望を持っていない人は過去に目が向いている。自分を不幸だと思っている人は、過去の失敗や、人間関係のつまづき、不幸な出来事を振り返ってはそのたびに「もし」を繰り返すという。「もし、もっと賢明な判断を下していたら…」「もし、別の方法でやっていれば…」「もし…」「もし…」と永遠に「もし」が続くのである。この人たちに使ってもらいたい言葉は「もし」ではなくて「この次は」なんだ。▲問題なのは、いくつ年をとったかではなくて、どう年をとったかでしょ。 ▲人生はあなたが見捨てないかぎり、あなたを見捨てはしない。 ▲逆境はもっと素晴らしい人生に踏み込むジャンプ台だと思え。 ▲勝者はあきらめない。あきらめた人は勝者になれない。 ▲「目標の立て方」5つのヒント ①目標を決めるときは徹底して現実的に。 ②とにかく強制的に具体的な目標を決めてみる。 ③「願望」と「目標」を混同しないこと。 ④実現可能な中間目標を一つ一つ突破していくこと。 ⑤「人の役に立つ」目標を選ぶこと。

詳細を表示 このような分かりやすい言葉を、豊富な具体例で見せてくれます。この著者ノーマン・ピールは牧師さんで、渡部昇一先生から教えていただいたニューソート哲学の第一人者です。 ピールは20代まで、やせていて、弱虫で、コンプレックスの強い人間で、人前で話をすると、足がガタガタ震えて、赤面するような人物だった、と聞きます。夢は「将来講演者として成功したい」でしたが、大学二年生の時、ベン・アナーソン教授から「一体君はどうしたというんだね。どうしてそんなに弱虫なんだ。びくびくして逃げ回っているようじゃないか。授業中に指名したときだって、答えはわかっているはずなのに、なぜ顔中真っ赤になって、しどろもどろになるんだ。そんな劣等感なんか克服して、もっと男らしくなりたまえ。」と説教をされました。わかりません。たぶん、ぼくはどうしようもない人間なんです」―「そんな負け犬みたいなことを金輪際言うんじゃない。考えるのもいかん。君を作ってくれた神に、どうか私を変えてくださいと祈ってごらん。」 彼はよろけながら教室を出て、廊下を通り、外の長い階段を降りました。下から四段目で彼は足を止めます。こうやって、彼に転機が訪れたのです。

 牧師となったピールは、ブルックリンの物置小屋同然の荒涼としたみすぼらしい教会に派遣されたのです。信者はわずかに40人。周囲の励ましと自身の努力によって、ついに教会信者を900人にまで増やし、10万ドルをかけて教会を建て直すまでになりました。その後移ったシラキースの教会でも、5万5千ドルの借金を精算し、再建に成功します。1952年に出版された彼の『積極的に考える』は、アメリカ全土で400万部の大ベストセラーになったのでした。さらに、この本は世界41ヶ国に翻訳され、2000万部のベストセラーとなったと聞いています。

 障害を取り除くことができないという心構えをもてば、それは取り除けないでしょう。あなたが”できない”と考えれば、できないのである。しかし、その障壁は前にそうだと思ったほどには大きくないのだという考えをしっかりと抱いてごらんなさい。それは取り除きうるのだという考えを保持してごらんなさい。そうすれば、このような積極的な考えをたとえどんなに僅かしか抱いていなかろうと、あなたがそのように考えはじめたその瞬間から、それを取り除くことになるプロセスが開始されたのです。

 失敗を恐れてなかなかやる気になれない人たちに、元気の出る映像をお届けします。河合塾の山下りょうとく先生から教えていただいたものです。

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